ホツマツタヱ39文 ホツマ打ち 連歌の文:ヤマトタケの東征が決まる【1】
現代語訳
【ホツマ打ち 連歌の文(ほつまうちつすうたのあや)】
・纒向の日代(景行)40年(上鈴827年サウヱ)
・6月、ホツマ(東方)が騒ぎ出せば、スワサカオリのオオトモタケヒ※が都に上って巡幸を請うた
・君(景行天皇)は諸を集めて「ホツマのヱミシ※が反乱を起こしたが誰を遣わすのが良いか?」と問うた
・諸人が答えない中、ヤマトタケ※が「以前、私が西を討ちました、なれば東を討つのはモチヒト(ヲウス)でしょう」と言った
・この時、オホウス(ヲウス※)は恐れ震えて、都を逃れて美濃に隠れたが、結局 都に呼び戻された
・そこで君は責めて「お前を持ち上げてやろうと言うのに、恐れるとは情けない」と言い、結局 美濃を守らせることにした
・またこの時、ヤマトタケ(オウス)は雄叫んで言った
・「西を平定して間もないというのに、また東で反乱とは一体いつまで続くのか?
・たとえ臣を労わったとしても平定の目処が立つまい」
・このとき皇は矛を持って詔した
・「私が聞いているヱミシとは、宗凌ぎ(ムネシノク)、粗長も立てず、村君らはそれぞれオカシエルという
・また、ヤマアラシ(山賊)、カタマシモノ(詐欺師)、チマタカミ(地域の支配者)も混ざっているという
・このように、蝦夷は陰陽を分けないことから色々な者が混交し、秩序が欠けてやがてはシムミチになるだろう
・また、穴に住み、ケシシ(穢肉)を食べて毛衣を着ているという、されば(天の)恵みを忘れて仇を為すだろう
・蝦夷らは、弓の達者な者たちを集めて隠れ住み、野山を走る技を得たことで、アメナルミチに服従しない
・今、私が思うに、汝(オウス)は姿も煌しく百人力、行けば障害も無く、攻めれば勝つ
・即ち、その身は我が子であるが、その真は神であるということを知っているのだ
・暗く平定し難い私の代を、絶えずに継続させてこられたのも、汝(オウス)があってこそなのである
・故に汝(オウス)は天下を領す位なのだ
・よって、深く謀って蝦夷らを稜威に伏せ、恵みを以って手懐けて、ホツマ(調和)を為すべし
・カタマシモノをカンツヨに服従させるのだ」
・皇はヤマトタケに詔と共に御矛(征夷大将軍の璽)を授けると、これにヤマトタケが答えて言った
・「昔、私はミタマノフユ(霊魂の恵み)によってクマソを平定しました
・今もまた、ミタマによってフユを借りることになるでしょう
・そして、敵地との境界に行き臨み、敵が服従しなければ これを討ちましょう」
・こうして皇を拝み、キビタケヒコ※とオオトモタケヒを従えて、ナナツカハギ※を膳出(兵站)とした
用語解説
・オオトモタケヒ:靫負部を兼ねるホツマ国(甲斐・駿河)の主
・ヱミシ:辺境の蛮族を指す(主に東国の勢力を指す)
・ヤマトタケ:西征の際に熊襲から与えられたオウスの称名。『記紀』のヤマトタケルに当たる
・オホウス(ヲウス):景行天皇とイナヒヲイラツメの長男。『記紀』のオオウスに当たる
・キビタケヒコ:吉備の国を治める臣
・ナナツカハギ:ヤマトタケの東征の際の膳部
原文(漢字読み下し)
【ホツマ打(う)ち 連歌(つすうた)の文(あや)】
・纏向(まきむき)の 日代(ひしろ)の四十年(よそほ)
・六月(せみなつき) ホツマ騒(さわ)けは
・サカオリの タケヒ上(のほ)りて
・巡幸(みかり)り請(こ)ふ
・君(きみ)諸(もろ)集(あつ)め
・宣給(のたま)わく ホツマのヱミシ
・掠(かす)めると 誰人(たれひと)遣(や)りて
・平(む)けなんや 諸人(もろひと)言(い)わす
・ヤマトタケ 先(さき)には臣(とみ)ら
・西(にし)お打(う)つ 東(き)お打(う)つは
・モチヒトそ
・時(とき)にオホウス
・慄(わなな)きて 野(の)に隠(かく)るるお
・呼(よ)ひ召(め)して 君(きみ)責(せ)め曰(いわ)く
・汝(いまし)あに 強(し)いて遣(や)らんや
・恐(おそ)るるの 余(あま)りと美濃(みの)お
・守(まも)らしむ
・時(とき)ヤマトタケ
・お猛(たけ)ひて 西(にし)平(む)け間(ま)無(な)く
・また東(ひかし) 何時(いつ)及(およ)はん
・たとえ臣(とみ) 労(いた)るとても
・平(む)けさらん
・時(とき)に皇(すへらき)
・矛(ほこ)お持(も)ち 我(われ)聞(き)くヱミシ
・宗(むね)凌(しの)き 粗長(あれおさ)も無(な)く
・村君(むらきみ)ら 相冒(あひおか)し彫(え)る
・山(やま)荒(あ)らし 佞(かた)まし者(もの)や
・ちまた守(かみ) 中(なか)にヱミシら
・女男(めを)交(ま)せて 霊道(しむみち)欠(か)けて
・穴(あな)に住(す)み 穢肉(けしし)お食(は)みて
・毛衣着(けころもき)
・恵(めく)み忘(わす)れて
・仇(あた)お為(な)し 弓(ゆみ)も良(よ)く射(い)る
・立(た)ち舞(ま)いも 類(たくい)集(あつ)めて
・かくれんほ 野山(のやま)お走(はし)る
・技(わさ)お得(え)て 陽陰和(あまな)る道(みち)に
・服(まつろ)わす
・今(いま)我(われ)思(おも)ふ
・汝(なんち)こそ 姿(すかた)煌(きら)しく
・百力(ももちから) 行(ゆ)くに障(さわ)らす
・攻(せ)めは勝(か)つ 則(すなは)ち知(し)れり
・身(み)は我(わ)か子(こ) 真(まこと)は神也(かみの)
・我(われ)暗(くら)く 平(む)けさる代(よ)お
・継(つ)かしめて 絶(た)えさらしむる
・汝(なんち)こそ 天(あめ)か下(した)領(し)る
・位(くらひ)なり
・深(ふか)く謀(はか)りて
・稜威(いつ)に伏(ふ)せ 恵(めく)みに懐(なつ)け
・ほつま為(な)し 佞(かた)まし者(もの)お
・上(かん)つ治(よ)に 服(まつろ)わせよと
・授(さつ)けます
・御矛(みほこ)お受(う)くる
・ヤマトタケ 昔(むかし)御霊(みたま)の
・振(ふ)ゆにより クマソお平(む)けぬ
・今(いま)もまた 御霊(みたま)に寄(よ)りて
・振(ゆ)ゆお借(か)り 仇(あた)の境(さか)に
・行(ゆ)き臨(のそ)み 服(まつろ)わさらは
・討(う)つへしと
・拝(おか)みて吉備(きひ)の
・タケヒコと オオトモタケヒ
・従(したか)えり ナナツカハギお
・膳出(かしはて)と
現代語訳文の目的・留意点
・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
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