ホツマツタヱ8文 霊還し ハタレ打つ文:アマテルによるハルナハハミチ戦(蝕霊)【11】
現代語訳
・今度はヒスミ・ヒタカミ(東北)でハタレが蜂起し、カグヤマの下から向ってくるという報告があった
・フタイワウラ(二岩浦)に入ってくる報告の頻度が多ったため、諸守はタカマに集まって守議を開いた
・その結果、アマテル※の御幸を請うことになった
・そして、遂にアマテル自身の御幸が成り、この戦の指揮を執ることになった
・アマテルの座す出車の中には、セオリツヒメ※とアキツヒメ※が侍っていた
・また、出車の左には白駒に乗ったイフキヌシ※が、右には黒駒に乗ったクマノクスヒ※が付き添って守護した
・さらに諸人が付き添って御幸が成され、遂にヤマタ(山田)に至った
・ハタレの雉(伝令)は、その様子をハルナハハミチ※に伝えた
・すると、ハルナは野山を変貌させて叢雲を出し、御幸する一行に向って炎を吹き、棘矢の霰を降らせた
・さらに鳴神を落して攻めると、さすがのカミイクサ(官軍)も後退した
・そこで、アマテルは予てより用意していたサツサモチヰ※(粽)にウタミ(歌札)を付けて、敵中に投げ込んだ
・すると、ハタレマは、そのサツサモチヰ(粽)に夢中になり、また皆でウタミに記されたサツサツヅウタ※を読み上げた
・『サスラテ(曲者)も、ハタレもハナケ(呼吸)ままならず(曲者たちは未熟者であるため、呼吸を読めない)
・カカン(手がかり)を得ようともがくが手段は無く、故にノンテン(伸展)も叶わない(また、成長の手段もない)
・日月と我は天下を照らすさ(それでも、日月と私は天下を照らすのだ)』
・この歌にハタレは怒って、再び矢の霰を降らせたが、アマテルのタミメ※(手印)によって防がれてしまった
・そこで益々怒って火花を吹けば、アマテルはミツハメ※を招いて炎を消してしまった
・手立てを失ったハルナハハミチが逃げようと背を向けた時、すかさずタチカラヲ※がハタレ主に跳びかかった
・ハタレ主はタチカラヲと力を比べて争ったが、遂には負けて縛り上げられてしまった
・ハタレ主が捕まると、ハタレマも皆 捕らえられ、アマテルの前に引き据えられた
用語解説
・アマテル:いわゆるアマテラス(男神)であり、地上における日月の顕現とされる(地上における「神」として捉えられる)
・セオリツヒメ:アマテルの内宮(正妻)であり、マフツヤタカガミ(鏡)を扱う重要な役割を担う
・アキツヒメ:アマテルの西局のスケ后であり、クサナギヤヱツルギ(剣)を扱う重要な役割を担う
・イフキヌシ:ツキヨミの子であり、ムハタレ討伐で活躍し、さらにソサノヲの臣への復帰の手助けもする
・クマノクスヒ:アマテルの御子の一人で、イサナギによってクマノカミ(イサナミ)の祭主を任じられた
・ハルナハハミチ:ムハタレの一つで、ハハ(蝕霊)が人や獣に憑いて化けたものを指す
・サツサモチヰ:五月サの頃に食べる餅で、いわゆるチマキや笹餅を指す
・サツサツヅウタ:最初に「さ」、真ん中に「つ」、最後に「さ」音を織り込んだ歌のこと
・タミメ:四十九神(根源神と元明四十八神)を手の造形で表現したものであり、様々な現象を起こすことが出来る
・ミツハメ:イサナミが死の間際に生んだ水の神で、水を司るとされる(御子ではなく神霊といったニュアンスで描かれる)
・タチカラヲ:オモイカネとヒルコの子であり、『記紀』でいうタヂカラオに当たる
原文(漢字読み下し)
・またハタレ 日隅(ひすみ)・ヒタカミ
・橘山下(かくやまと)
・二岩浦(ふたいわうら)に
・継(つ)く告(つ)けの 櫛(くし)の歯挽(はひ)けは
・諸守(もろかみ)は タカマに議(はか)り
・御幸(みゆき)とそ 願(ねか)ゑは神(かみ)の
・御幸(みゆき)成(な)る
・出車(てくるま)の内(うち)
・セオリツ姫(め) 陽陰(あめ)の身陰(みかけ)に
・アキツ姫(め)は 日(ひ)の霊影(みかけ)差(さ)す
・イフキヌシ クマノクスヒと
・左右(まて)にあり 白(しろ)・黒駒(くろこま)に
・諸(もろ)添(そ)ひて ヤマタに到(いた)り
・雉(きし)飛(と)へは
・ハルナハハミチ
・野(の)も山(やま)も 化(か)ゑて叢雲(むらくも)
・炎吹(ほのほふ)き 棘矢(とけや)の霰(あられ)
・鳴神(なるかみ)に 御方(みかた)帰(かえ)れは
・大御神(ををんかみ) 予(かね)てサツサに
・歌見(うたみ)付(つ)け 投(な)くれは嗜(し)む
・ハタレマを サツサ綴歌(つつうた)
・流離手(さすらて)も ハタレも放来(はなけ)
・満(み)つ足(た)らす カカンなすかも
・手立(てたて)尽(つ)き 故(かれ)ノンテンも
・あに効(き)かす 日月(ひつき)と我(われ)は
・天下(あわも)照(て)らすさ
・諸歌(もろうた)ふ
・ハタレ怒(いか)りて
・矢(や)の霰(あられ) 神(かみ)のタミメに
・矢(や)も立(た)たす 弥(や)猛怒(たけいか)り
・火花(ほはな)吹(ふ)く 神(かみ)ミツハメを
・招(まね)く時(とき) 炎(ほのほ)消(け)ゆれは
・胸騒(むなさわ)き
・逃(に)けんとするを
・タチカラヲ ハタレ主(はるな)に
・跳(と)ひかかり 力争(ちからあらそ)ひ
・押(お)し縛(しは)る ハタレマも皆(みな)
・捕(と)り縛(しは)り 前(まえ)に引(ひ)き据(す)え
・垂(た)上(あ)くる
現代語訳文の目的・留意点
・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
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