現代語訳

ホヒの件で失敗したため、再度 守議を開いて 出雲に派遣する適任を選定した
 ・守議の結果、アマ国のアメワカヒコ※に決まった
・そこで、タカミムスビはカゴ弓とハハ矢を与えて出雲に派遣した
 ・しかし、アメワカヒコは忠を尽くさず、出雲にてタカテルヒメ(オホナムチの娘)を娶った
 ・また、出雲と葦原国を併合しようと考えて、8年経っても帰ろうとしなかった
・そこで、名無しの雉に様子を見て来させることにした
 ・雉はアメワカヒコの宮の門前で、カツラノスエ(天の御使アメワカヒコの堕落)の姿を見て、ホロロホロロと鳴いた
 ・その声を聞いたサクメ(下侍)がアメワカヒコに「名無しの雉が天(天の使)を嘆いています」と報告した
・そこで、アメワカヒコは雉に向けてハハ矢を射った
 ・すると、ハハ矢は雉の胸を貫通して飛び、果てはタカミムスビ(タカキネ)の前に落ちた
 ・また、そのハハ矢には雉の血が付いていた
タカミムスビは、その血を見て"咎む返し矢"を撃ち返すと、それはアメワカヒコの胸に当たって絶命させた
 ・これが、"返し矢 恐るべし"の基である

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用語解説

・アメワカヒコ:アメクニタマの子で、オクラヒメ(二代目シタテルヒメ)の兄。『記紀』でいう、アメノワカヒコに当たる

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原文(漢字読み下し)

・遣(つかは)す人(ひと)は
・アマ国(くに)の アメワカヒコと
・極(きわ)まりて タカミムスビが
・カゴ弓(ゆみ)と ハハ矢(や)賜(たま)ひて
・平(む)けしむる

・この守(かみ)もまた
・忠(まめ)成(な)らす タカテル姫(ひめ)を
・娶(めと)りつつ 葦原国(あしはらくに)を
・和(の)らんとて 八年(やとせ)経(ふ)る迄(まて)
・帰(かえ)らねは 名無(なな)しの雉(ききす)
・訪(と)い下(くた)す

・アメワカヒコか
・門(かと)の前(まえ) 桂(かつら)の末(すえ)に
・仕業(しわさ)見(み)て ホロロホロロと
・鳴(な)くお聞(き)き 下侍(さくめ)か告(つ)けに
・名(な)も無(な)くて 天(あめ)を嘆(な)くやと
・ワカヒコか ハハ矢(や)お射(い)れは
・胸(むね)通(とほ)り 飛(と)ひてタカミの
・前(まへ)に落(お)ち ケンケンも無(な)く
・血(ち)のハハ矢(や)

・タカミムスビは
・これを見(み)て 咎(とか)む返(かえ)し矢(や)
・ワカヒコか 胸(むね)に当(あた)りて
・失(う)せにしを 返(かえ)し矢(や)恐(おそ)る
・基(もとおり)や

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります