現代語訳

・その時にまた、オオモノヌシ(クシヒコ)が申し上げた
 ・「昔は(衣に関係なく)乱れず驕らなかったと言いますが、粗末な衣を着たところでどうなるのでしょうか?」
アマテルは笑んで言った
 ・「汝は昔が正しかったと思っているが、今から対策しておけば後の世が栄えるであろう
 ・されば"飢えを知らずに驕ることを楽しむほど満足な時代"が来ることであろう
 ・だが、飢えを忘れた頃には実りが無くなり、その時は真に飢えることになる
 ・これを予ねて、ハノリ(衣法)を定めて鑑みるのだ、よって謹めよ
 ・昔、青人草が繁栄を極めたことにより、調の道を告げても届き兼ね、コスエ(未来)が廃れる原因となった
 ・その時に矛を振って、速やかに道を通すものとして剣と成したのである」

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用語解説



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原文(漢字読み下し)

・時(とき)にまた オオモノヌシか
・申(もう)さくは 昔(むかし)乱(みた)れす
・驕(かた)らぬお 粗衣(あらこ)お着(き)ては
・いつくんそ 君(きみ)笑(ゑ)み曰(いわ)く

・汝元(なんちもと) 直(たた)ち思(おも)えと
・後(のち)の代(よ)に 弥(いや)治(をさ)まれは
・飢(う)ゑ知(し)らて 驕(おこ)る楽(たの)しの
・満(み)つる時(とき) 飢(う)ゑ遠(と)し頃(ころ)は
・実(みの)らすて 真(まこと)に飢(う)ゑる
・これ予(かね)て 定(さた)むる衣法(はのり)
・鑑(かんか)みそ これ謹(つつし)めよ

・昔生(むかしな)る 青人草(あおひとくさ)も
・繁(そ)に増(ふ)ゑて 道(みち)お告(ふ)れても
・届(とと)き兼(か)ね 来末(こすゑ)破(やふ)るる
・基(もとい)かや 時(とき)矛振(ほこふ)らは
・速(すみ)やかに 通(とほ)らんものと
・剣(つるき)成(な)す

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります