現代語訳

・(アマテルは続けた)
・「オオモノヌシの副官二人はヘカサリである
・対してオオモノヌシは機の主、故に清汚を清算する
・汚の清汚はこのようにする
 ・10の汚までは、粗長組(五人組)を呼び、10以内であれば叱りつける
  ・10位上であれば、県主に告げる
 ・県主は90内であれば杖打ちとし、方の汚(90以上)はカトヤ(留置場)に入れて国造に告げて議る(裁判)
  ・方の汚(90以上180未満)は杖打ち、県を追いやる(追放)
 ・二方(180以上270未満)ならば国を去り、二方に余ればモノヌシに告げる
  ・200の汚は、モノヌシの判断によって隅にサスラス(追放する)
 ・三方汚(270以上360未満)は、髪・爪を抜いて入墨する
  ・360以上の汚は、天に渡して身を枯らす、死罪とされればモノヌシの命令を受けよ
モノノベらはしかと聞け
 ・我儘に民を斬ってはならない
 ・なぜなら、民は皆 我が孫であるからだ
・その民を守り治めるクニカミ※(国守)は、これなお我が子である
・国守は民のタラチネ(父)であるべし
 ・故にその民は国守の子であるのだ
・我が子である故、親が斬ってはならない
 ・我が子を殺せば、罪180座
 ・継子を殺せば、罪270科
 ・妹を失えば、罪270科
 ・なお、生まずの女(出産拒否の女)はヨソメ※(避女)であり、兄も夫も枯らす、よって咎360科
 ・結果的に生めなければ、他所に生ませれば罪無し
 ・親を殺せば、咎360科
 ・継親を殺せば、咎400科
・アメノリ(公法)を民一組(5家)が乱れても、筬が巡らねば機は織れない
 ・故に治めるのはハタノミチ(機の道)である」

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用語解説

・クニカミ:国家を守る者(いわゆる公務員)
・ヨソメ:背く女

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原文(漢字読み下し)

・副(そ)えの二人(ふたり)は
・綜(へ)と替更(かさ)り オオモノヌシは
・機(はた)の主(ぬし) 故(かれ)清汚(さか)お算(よ)む

・十(そ)の汚(か)まて あれは粗長(あれおさ)
・組(くみ)お呼(よ)ひ 十内(そうち)は叱(しか)る
・十(そ)の外(そと)は 県(あかた)に告(つ)ける

・県主(あかたぬし) 九十内(こそうち)は杖(つえ)
・方(けた)の汚(か)は 枷屋(かとや)に入(い)れて
・国造(くにつこ)に 告(つ)くれは議(はか)り

・方(けた)の汚(か)は 杖打(つえう)ち県(あかた)
・追(お)ひ遣(や)らひ

・二方(ふたけた)ならは
・国(くに)お去(さ)る

・余(あま)れは告(つ)ける
・モノヌシの 糺(たた)し明(あか)して
・二百(ふも)の汚(か)は 隅(しま)に流離(さすら)す

・三方汚(みけたか)は 髪(かみ)・爪(つめ)抜(ぬ)きて
・入墨(いれすみ)し

・天(あめ)に渡(わた)れは
・身(み)お枯(か)らす 罷(まか)るの罪(つみ)は
・モノヌシの 上言(みこと)お受(う)けよ

・モノノベら 確(しか)と聞(き)けこれ
・我(わ)か儘(まま)に 民(たみ)お斬(き)るなよ
・民(たみ)は皆(みな) なお我(わ)か孫(まこ)そ

・その民(たみ)お 守(まも)り治(をさ)むる
・国守(くにかみ)は これなお我(わ)か子(こ)

・国守(くにかみ)は 民(たみ)のたらちね
・その民(たみ)は 国守(くにかみ)の子(こ)そ
・我(わ)か子(こ)ても 親(をや)か斬(き)るなよ

・我(わ)か子殺(こさ)す 罪百八十座(つみもやそくら)
・継子殺(ままこさ)す 罪二百七十科(つみふもなそか)
・妹失(いもい)さす 罪二百七十科(つみふもなそか)

・生(う)ます女(め)は 避女(よそめ)そ兄(あに)も
・夫(せ)も枯(か)らす 咎三百六十科(とかみもむそか)
・生(う)まさるは 余所生(よそう)めは豈(あに)

・たらち失(う)つ 咎三百六十科(とかみもむそか)
・継親(ままをや)お 失(う)つ咎四百科(とかよもか)

・天法(あめのり)お 民一組(たみひとくみ)か
・乱(みた)れても 筬巡(をさめく)らねは
・機織(はたお)れす 故(かれ)治(おさ)むるは
・機(はた)の道(みち)かな

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります