現代語訳

・(景行)20年(上鈴806年)
 ・サミヱ2月4日、ヰモノヒメクスコ※内親王が、筑紫の平定を祝ってイセノカミを祀った
  ・このとき姫は14歳であった
  ・ヤマトヒメ※は齢108歳であったが、これを喜んでミツエシロ※(御杖代)の後任とする宣言を発した
   ・「年老いて寿命に至れば、私の役目が足りなくなるでしょう
  ・そこで私の八十モノノベ20司をヰモノヒメに移して仕えさせることにします」
  ・こうしてクスコ(ヰモノヒメ)アマテル神の御杖代となり、タケノミヤヰ(伊勢内宮)に謹んで仕えることとなった
  ・その後、ヤマトヒメはウチハタドノのイソミヤに隠居し、静かにヒノカミを祀ったことで永くウマナシ(悪くはならなかった)

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用語解説

・ヰモノヒメ(クスコ):景行天皇とミツハイラツメの皇女で、三代目のアマテル神の斎宮となる
・ヤマトヒメ:垂仁天皇とカバヰツキヒメの皇女で、二代目のアマテル神の斎宮となる。『記紀』のヤマトヒメに当たる
・ミツエシロ:斎宮(神の斎を執り行う者)であり、80人のモノノベとそれを束ねる12人の司を従える

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原文(漢字読み下し)

・二十年(ふそ)サミヱ 二月四日(きさらきよか)に
・ヰモノ姫(ひめ) クスコ内親王(うちみこ)
・妹背(いせ)の神(かみ) 祭(まつ)る祝(いわひ)は
・筑紫(つくし)平(む)け 姫(ひめ)今年(ことし)十四(そよ)

・ヤマト姫(ひめ) 今年(ことし)百八(ももや)つ
・喜(よろこ)ひて 齢(よわひ)至(いた)れは
・我(われ)足(た)りぬ 我(わ)か八十(やそ)モノベ
・十二司(そふつかさ) ヰモノに移(うつ)し
・仕(つか)えしむ クスコお神(かみ)の
・御杖代(みつえしろ) 高(たけ)の宮居(みやゐ)に
・謹(つつし)みて 仕(つか)え侍(はん)へる

・ヤマト姫(ひめ) 内端殿(うちはたとの)の
・磯宮(いそみや)に 開(ひら)き静(しつ)かに
・日(ひ)の神(かみ)お 祭(まつ)れは永(なか)く
・倦(う)まなくそ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります