ホツマツタヱ・ミカサフミ現代語訳:ヲシテとは?

ヲシテ」とは、神代文字の一種で『ホツマツタヱ』『ミカサフミ』『フトマニ』という文献を構成する文字として使用されているものを指します。よって、この三種類の文献は「ヲシテ文献」と総称されているようです。

ヲシテについて


ヲシテの概要


ホツマツタヱ・ミカサフミ現代語訳:ヲシテとは?
小笠原長武写本によるホツマ文字の標準字形(ウィキペディアより)

ここにヲシテの概要を箇条書きにしてまとめておきたいと思います。

・名称:ヲシテ(ホツマ文字、秀真文字、伊予文字、オシテ、ヲシデなど)
・構成:48文字(5母音のアイウエオ×10子音のアカハナマタラサヤワ)+ワヲン+変体ヲシテ(特殊文字)
・発見:江戸中期には存在を確認されている
・真贋:肯定派と否定派で意見が大きく分かれ、否定派は「古代日本語8母音説」や『古語拾遺』の記述を以って否定する
・用例:文献の他、鏡の文様・神社の護符・神紋などに使用されるという(また、このような例外的な用例もあるようです)

※用例はヲシテの実在に関する使用例を指しており、ヲシテで構成される用語などについては別で触れることにする


否定説


主な否定説では、以下の要素を以って否定するとされているようです。

・古代日本語8母音説:ひらがな・カタカナ成立以前は、ア・イ・ウ・エ・オ の5音より多くの母音の別があったとする説
・古語拾遺:内容に「聞くところによると、上古の世は文字が無く、貴賎老少問わず口から口へ伝えていたが…」と記される

※あくまでも現状把握のための情報掲載を目的としているため、真贋論争は割愛する

参考リンク


ヲシテ(ウィキペディア)

神代文字について


神代文字の概要


神代文字(じんだいもじ、かみよもじ)」とは、漢字伝来以前の古代日本で使用されていたとされる多様な文字、文字様のものの総称とされます。

古史古伝」と呼ばれる『記紀』以外の歴史書のいくつかで使用されており、その種類も様々です。また、現在でも特定の社寺の符、札、お守りなどで使用されており、木や岩に刻まれたものも存在するようです。

主な神代文字(一例)


・天名地鎮(あないち):太占に関連し、江戸後期の国学者の平田篤胤の著書『神字日文伝』に字形が記されるという
・ヲシテ:『ホツマツタヱ』『ミカサフミ』『フトマニ』を構成する文字である
・阿比留草文字(あひるくさもじ):お札等によく使われる比較的有名な神代文字
・カタカムナ文字:カタカムナ文明で使用されていたという文字
・出雲文字(いずももじ):出雲の石窟で発見されたと伝えられる神代文字
・豊国文字(とよくにもじ):古史古伝の『上記』を構成する神代文字
・阿波文字(あわもじ):徳島県名東郡佐那河内村の大宮八幡宮に伝わっているとされる神代文字
・対馬文字(つしまもじ):対馬伝わる神代文字であり、雷神社で行われる亀卜神事で天名地鎮と共に使用されるという

神代文字の使用される古史古伝(一例)


・ヲシテ文献:当サイトで扱う『ホツマツタヱ』『ミカサフミ』『フトマニ』は「ヲシテ」で構成される
・上記(ウエツフミ):豊国文字で構成される歴史書
・竹内文書:当初は神代文字で記されていたとされ、文字の成立過程で数々の神代文字が成立したことが記される

参考リンク


神代文字(ウィキペディア)