現代語訳

・「そこで生まれたの子には、ヒルコ※と名付けた
 ・この際、父(イサナギ)は40穂※(歳)、母(イサナミ)は31穂であった
 ・もし、アメノフシ※に当たれば、女子には父のオヱ※が、男子には母のクマ※が宿るという
・そこで、ヒルコを育てて3年足らずで、イワクスフネ※に乗せて捨てた(男尊42歳・女尊33歳がアワノフシに当たるため)」

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用語解説

・ヒルコ:イサナギとイサナミの第一子であり、『記紀』でいうヒルコに当たる
・ホ(穂):真榊で計る暦において"ホ(穂)"は"年(歳)"を指すと捉えられ、40穂であれば40歳、31穂であれば31歳となる
・アメノフシ:陽と陰の分かれ目、節目(この場合、いわゆる「厄年」を指す)
・オヱ・クマ:穢れたもの、邪悪なもの、悪霊の類のような意味合いを指す
・イワクスフネ:斎み清める、汚穢を消すのような意味合いのある船

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原文(漢字読み下し)

・名(な)はヒルコ

・然(しか)れと父(ちち)は
・鈴(すす)四十穂(よそほ) 母(はは)は三十一穂(みそひほ)
・陽陰(あめ)の節(ふし) 宿(やと)れは当(あ)たる
・父(ちち)の汚穢(をゑ) 男(を)の子(こ)は母(はは)の
・隈(くま)となる 三年(みとせ)慈(いつ)くに
・足(た)らされと 斎奇船(いわくすふね)に
・乗(の)せ捨(す)つる

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります