ホツマツタヱ12文 アキツ姫 天形の文:アマガツの由来【1】
現代語訳
【アキツ姫 天形の文(あきつひめあまかつのあや)】
・サッサツノコヱ※とイモセノササイワヒ※、その起源はアマガツ※を作ったハヤアキツヒメに由来する
・オシホミミはアマツヒツキ(天皇)となってタカの首(首都)に座し、タクハタチチヒメを内宮とした
・その御幸の際、輿の先に置かれたアマガツの意味を知らなかった
・シホカマ※に尋ねたが答えられず、次にカスガ(後のアマノコヤネ)にいわれを問うた
・すると、カスガは この様に説明した
・「これは昔、天にマスヒト(アメオシヒ)が背いてムハタレ(六種のハタレ)が四方で蜂起した時のこと
・ムハタレが民を苦しめているため、アマテル自らまじないの種を得て、諸守に与えて討ちました
・その戦の際、ハタレの中でも上級のハルナがアマテルのカンイキ(呼吸)を読んで術を封じようとしました
・それに気付いたアマテルは、三歳の小児を出車の中に入れ、袂の下に隠しておきました
・これによって呼吸が入り混じるため、ハルナは呼吸を読み違えて術を封じることができなかったのです
・また、アマテルはハタレが呼吸を読めないよう御歌を作って札に記し、それをサツサモチヰ(粽)に付けて投げ与えました
・このときの御歌が"サツサツツウタ"です
・『サスラテ(曲者)も、ハタレもハナケ(呼吸)ままならず(曲者たちは未熟者であるため、呼吸を読めない)
・カカン(手がかり)を得ようともがくが手段は無く、故にノンテン(伸展)も叶わない(また、成長の手段もない)
・日月と我は天下を照らすさ(それでも、日月と私は天下を照らすのだ)』
・この御歌をサツサと諸人が歌えば、ハタレの術も乱れて捕らえられてしまいました
・これを契機に"サッサツノコヱ"として楽しまれるようになったのです
・なお、これ以前に小児を天に送って神前に捧げた際、手足もままならないのに後退りしました
・アメミヲヤはこれを誉め「お前の功は諸に勝っている、よって君を守れ」と神に"アマガツ(天形)"の名を賜りました
・この故事を基にアキツヒメは布でアマガツを作り、カミウタ(神歌)を込めてチチヒメに与えました
・これを先に置くことにより、先の障害を除かれます、アマガツとはこの様なものなのです」
用語解説
・サッサツノコヱ:サツサツツウタ(最初に「さ」、真ん中に「つ」、最後に「さ」音を織り込んだ歌)を歌う行為を指す
・イモセノササイワヒ:男女の和合を祝う行為を指す
・アマガツ:布で作られた赤子を模った人形(人形に対する天形を指す)。穢れや災いを人に代わって受けるものとされる
・シホカマ:オシホミミの重臣とされるが、詳細不明(シホツチとは異なると考えられる)
原文(漢字読み下し)
【アキツ姫(ひめ) 天形(あまかつ)の文(あや)】
・颯颯(さつさつ)の 声(こゑ)と妹背(いもせ)の
・ささ祝(いは)ふ その基(もとおり)は
・アマガツお ハヤアキツ姫(ひめ)の
・作(つく)り初(そ)め
・和照(あまて)る御子(みこ)の
・ヲシホミミ 和(あま)つ日月(ひつき)は
・タカの首(かふ) タクハタ姫(ひめ)の
・御内(みうち)入(い)り
・その先輿(さきこし)の
・アマガツを シホカマの守(かみ)
・まだ知(し)らで カスガの守(かみ)に
・謂(ゆえ)を問(と)ふ カスガ答(こた)えて
・これ昔(むかし) 天(あめ)のマスヒト
・背(そむ)く故(ゆえ) 六(む)ハタレ四方(よも)に
・湧(わ)き満(み)ちて 民(たみ)苦(くる)しむる
・その時(とき)に アマテル神(かみ)の
・法(のり)を得(ゑ)て 諸守(もろかみ)の討(う)つ
・ハタレ中(なか)
・上(かん)つハルナか
・謀(はか)らんと 神息(かんいき)算(よ)めは
・大御神(ををんかみ) これ知(し)ろし召(め)し
・三(み)つの小児(ちこ) 出車(てくるま)の内(うち)
・袂下(たもとした) 置(お)きて立(た)つ息(いき)
・交(ま)しる故(ゆえ) ハタレ疑(うたか)ひ
・数(かそ)えせす 術(わさ)も乱(みた)れは
・大御神(ををんかみ) 天地(あめつち)知(し)ろす
・貴霊(くしひる)に 聡(さと)くハタレか
・息(いき)計(はか)り 御歌(みうた)作(つく)れは
・染(そめ)め札(ふた)を サツサ餅飯(もちゐ)に
・付(つ)け投(な)くる サツサツツ歌(うた)
・流離手(さすらて)も ハタレも放来(はなけ)
・満(み)つ足(た)らす カカンなすかも
・手立(てたて)尽(つ)き 故(かれ)ノンテンも
・あに効(き)かす 日月(ひつき)と我(われ)は
・天下(あわも)照(て)らすさ
・颯颯(さつさつ)と 諸(もろ)が歌(うた)えは
・聞(き)くハタレ 術(わさ)も乱(みた)れて
・縛(しは)らるる 故(かれ)この歌(うた)を
・颯々(さつさつ)の 声(こゑ)と楽(たの)しむ
・右(か)の小児(ちこ)を 天(あめ)に上(お)くれは
・神(かみ)の前(まえ) 枝(えた)揃(そろ)はねは
・退(さ)らんとす アメノミヲヤは
・これを褒(ほ)め 汝(なんち)這(は)ふ子(こ)の
・功(いさおし)は 諸(もろ)に過(す)きたり
・君(きみ)守(まも)れ 神(かみ)天形(あまかつ)と
・名(な)を賜(たま)ふ
・この基(もとおり)に
・アキツ姫(ひめ) 布(ぬの)もて作(つく)る
・天形(あまかつ)は 神歌(かみうた)込(こ)めて
・チチ姫(ひめ)に 賜(たま)えはこれを
・先駈(さきか)けの 障(さわ)りを除(のそ)く
・天形(あまかつ)そ
現代語訳文の目的・留意点
・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
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