現代語訳

・(カスガは続けた)
・「アマテルが生まれた時、21鈴125枝31穂キシヱの初日(元旦)であった
 ・この年の初日の出と共に生まれたので斎名はワカヒトとなり、産宮はハラミのサカオリ宮であった
 ・緒の胞衣は峰に納めてよく守り、災いがある度にシナ(岳)を替えて防ぎ祓えば、和らいでタマノヲ※も調った
 ・これにより、オオヤマスミ(サクラウチ※)が巡り回ってヨメヂ(中山道)を行き、北の峰に納めた
 ・この胞衣を納めた岳はシナノのヱナガタケ(恵那山)である
ワカヒトはヒタカミに到り、アメノミヤにて道を学んだ
 ・以来、30年が経つとヤスクニ宮を造ってオオヒヤマトにて政を執った
 ・そして、陽陰二尊の譲りを受けてアマヒノミコトとなった
・御内には十二后の局を置き、スケ、ウチ、シモを4人ずつ添えた
 ・ツキノミヤ(内宮)にはセオリツヒメ※を置き、天に収めてオオヤマト・ヒタカミ・ヤスの政を執った
 ・すると、民も穏やかに治まって25万年の時を経た」

※恵那山に同様の伝説がある

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用語解説

・タマノヲ:"魂(霊魂)と魄(肉体)の結合部分"や"心(精神)"といった意味合いを指す
・サクラウチ:セオリツヒメ、ヲヲヤマカグツミらの父。オオヤマズミ(役職名)の祖に当たる
・セオリツヒメ:サクラウチの娘で、アマテルの内宮(正妻)となった

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原文(漢字読み下し)

・時(とき)二十一鈴(ふそひすす)
・百二十五枝(もふそゐゑ) 三十一(みそひ)キシヱの
・初日(はつひ)の出(て) 若日(わかひと)と共(とも)に
・生(う)れませは 斎名(いみな)ワカヒト
・産宮(うふみや)は ハラミサカオリ

・結(を)の胞衣(ゑな)お 峰(ね)に納(おさ)むれは
・よく守(まも)り 災(わさは)ひあるも
・品替(しなか)ゑて 防(ふせ)き祓(はら)えは
・和(やわ)らきて 霊(たま)の結(を)中(なか)く

・これにより オオヤマスミか
・巡(めく)り回(み)て 酔路(よめち)行(ゆ)く北(ね)の
・峰(を)に納(おさ)む 胞衣(ゑな)か岳(たけ)成(な)る
・シナの国(くに)

・到(いた)るワカヒト
・ヒタカミの 陽陰(あめ)の宮(みや)にて
・道(みち)学(まな)ふ 三十年(みそほ)に知(し)ろし
・宮(みや)造(つく)り 太陽山下(おおひやまと)に
・政(まつり)執(と)る 和二尊(あめふたかみ)の
・譲(ゆつ)り受(う)け 和日(あまひ)の尊(みこと)

・御内(みうち)には 十二(そふ)の局(つほね)に
・置(お)く后(きさき) 四人(よたり)のスケに
・四内侍(ようちめ)と 四乙下(よおしも)添(そ)ゑて
・月(つき)の宮(みや) セオリツ姫(ひめ)お
・御后(みきさき)と 天(あめ)に収(おさ)めて
・オオヤマト ヒタカミ・ヤスの
・政事(まつりこと) 聞(き)こせは民(たみ)も
・穏(おた)やかに 二十五万年(ふそゐよろとし)

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります