現代語訳

・時にアマテルは詔した
 ・「昔、二尊はアワウタを日毎に歌い、それは八百万日に行き至った
 ・この末に私がこれを受け継いで、手を結んで(タミメ※)朝が来るたびに歌っている
 ・幾年経つが、いまだに欠かさず このオシテ(法)は続いている
 ・また、タマキネ(トヨケ)が作ったオシヱクサは、天神を招くミハシラキ(御柱木)である
 ・この御柱木は神と調和しようとする心を移すウツワモノ(器物)である
 ・このカミカタチ(神体)に奉納して祈願する深い旨のあるソメフダ(染札)を"ニフノカミ※"に任せよう」
・この詔により、ヒルコニフノカミとして染札の作成を命じられた
 ・そして、ヰモノシにカナアヤ(金属製の紋)を鋳造させ、アワウタを遍く教えれば御名もワカヒルメとなった
 ・この功績は大いなるものであった

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用語解説

・タミメ:四十九神(根源神と元明四十八神)を手の造形で表現したものであり、様々な現象を起こすことが出来る
・ニフノカミ:ヒルコの尊名。和歌山県の丹生都比売神社の祭神である丹生都比賣大神は、別名 稚日女尊というとされる

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原文(漢字読み下し)

・時(とき)に和照(あまて)る
・御言宣(みことのり) 昔(むかし)二尊(ふたかみ)
・アワ歌(うた)お 日毎(ひこと)に歌(うた)ひ
・八百万日(やおよろか) 行(おこな)ひ至(いた)る
・この末(すえ)に 我(われ)受(う)け継(つ)きて
・結(むす)ふ手(て)に 朝毎(あさこと)歌(うた)ふ
・幾年(ゐくとせ)か いまた欠(か)かさす
・この押手(おして)

・タマキの作(つく)る
・教(をし)え種(くさ) 天神(あまかみ)招(まね)く
・御柱木(みはしらき) 和心(にこころ)移(うつ)す
・器物(うつわもの) その神形(みかたち)に
・進(すす)め乞(こ)ふ 深(ふか)き旨(むね)ある
・染札(そめふた)お 委(まか)せ賜(たま)わる
・和(にふ)の守(かみ)

・ここにヒルコは
・鋳物仕(ゐものし)に 金紋(かなあや)鋳(ゐ)させ
・遍(あまね)くに 教(おし)ゆる御名(みな)も
・ワカヒルメ 和(にふ)の功(ゐさおし)
・大(をを)いなるかな

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります