現代語訳

ナガスネヒコ※は山崎にて川船を拒んだ
 ・クシミカタマ※がこれを討とうと向った時、ヰツセ※御子はナガスネを恐れて多賀から筑紫に移った
 ・クシミカタマオシクモ※とともにナガスネと戦えば、ナガスネは逃げて行った
 ・それを追って河内に留まった時、タケチノコリとアウヱモロ※が大和の層富にナガスネ軍を防いだ
クシミカタマがタガに帰ったとき、オシクモが河内に行って小塩よりカスガの遺骸を招いた
 ・そしてヒラオカノヤシロに祀ってカスガは神となった
 ・筑紫のタネコは喪を治め、タケミカツチ・フツヌシ・アマノコヤネ・ヒメの四神を祀った(春日四神)
 ・その後、アウヱモロによって層富と河内は治められた
オオモノヌシはアワ海のオオクニミヤを造り替え、コシネノクニもサホコの民も皆治めたため、静かになった

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用語解説

・ナガスネヒコ:フトタマの孫で、ミカシヤヒメの兄に当たる。『記紀』『旧事紀』でいうナガスネヒコに当たる
・クシミカタマ:ツミハとタマクシヒメの子。オホナムチを助けた神霊であるクシヰワザタマの顕現とも
・ヰツセ:ウガヤとヤセ姫の子で、タケヒト(神武)の異母兄。『記紀』でいうイツセに当たる
・アウヱモロ:河内の県主

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原文(漢字読み下し)

・ナガスネヒコは
・山崎(やまさき)に 川船(かわふね)拒(こは)む
・モノヌシか 討(う)たんとすれは
・ヰツセ御子(みこ) 恐(おそ)れ多賀(たか)より
・行(ゆ)く筑紫(つくし) クシミカタマは
・オシクモと ナガスネ撃(う)ては
・逃(に)け行(ゆ)くお 追(お)ひて河内(かわち)に
・留(とと)まりて タケチノコリと
・アウヱモロ 大和(やまと)の層富(そふ)に
・防(ふせ)かしむ

・モノヌシ帰(かえ)り
・オシクモは 河内(かわち)に行(ゆ)きて
・小塩(おしほ)より カスガお招(まね)き
・枚岡(ひらおか)の 社(やしろ)纏(まつ)りて
・神(かみ)となる 筑紫(つくし)のタネコ
・喪(も)お治(をさ)め 四神祭(よかみまつり)りて
・アウヱモロ 河内(かわち)お兼(か)ねて
・治(をさ)めしむ オオモノヌシは
・アワ海(うみ)の 大地宮(おおくにみや)お
・造(つく)り替(か)え 越根(こしね)の国(くに)も
・サホコ皆(みな) 民(たみ)お治(をさ)めて
・静(しつ)かなり

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります