ミカサフミ2文 酒法の文:ウヒチニ・スチヒからイサナギ・イサナミまで(男女尊の時代)【2】
現代語訳
・(アマテルは続けた)
・「真榊の植え継ぎが500本に満ちる頃(3000万年)、代嗣の男尊はウヒチニ※となり、スヒチ※を妻に迎えた
・サイアヒ(男女和合)の基は、ウヒチニが越国のヒナルノ岳の上宮にて木の実を持って生まれたことに由来する
・この木の実を庭に植えておけば、その三年後の3月3日に花も実も沢山成ったためにモモの木と名付けた
・故に二尊の名もモモヒナキ、モモヒナミとなった
・ヒナ(一七)はまだ、ヒト(一十)と成る前のものを指す
・君(キ・ミ)とは、その木の実によって男尊を"キ"、女尊を"ミ"と名付けられた
・二尊が成人すれば、3月3日に酒が造り始められ、それが奉られた
・桃の木の下で酌む酒に月が映れば気分を高める、そこで女尊がまず飲んで高揚し、後に男尊に進上する
・二尊が高揚すれば、床にて交わり、これがトコミキとなったのである
・交わりの後、身が暑くなれば翌3日間の朝に寒川にて水を浴び、その熱を冷ました
・また、袖が水埴にまみれて浸れば、大小の和合が満ちたとして二尊の名もウヒチニとスヒチのカミとなった
・これも水埴が交わるフルコト(祝言)であり、大き少なきからウス(大小・朕・珍)と名も付いた
・なお、この雛形の男は冠・大袖・袴を着け、女は小袖・上被衣を着けている
・また、この時に諸も皆 妻を迎えて、この八十臣に続いて諸民も皆 妻を定めた
・これにより、アメナルミチが具わり、類(一族)が成れば、年を数えるヰモツギノアメノマサカキ※が成った
・五代の尊はオオトノチ※、オオトマエ※である
・ツノクヰが大殿に居たとき、イククイと門前にて出会って妻とした
・これ故に男は"殿"となり、女は"前"と呼ぶようになった
・この代は長く続いたが、やがて次代に引き継がれた
・六代の嗣はオモタル※の尊となり、妻のカシコネ※と共に八方を巡幸して民を治めた
・この際、ヲウミのアヅミにナカハシラを立てた
・そして、東はヤマト・ヒタカミ、西はツクシの葦原、南は阿波からソサ、北は根のヤマトからサホコチタルまで及んだ
・しかし、100万年も治めたが嗣子が無く、道が衰えてしまいワイタメ(思慮)も無く終わった
・このため、時に天(中央政府)より二尊(イサナギ※・イサナミ※)に"葦原の千五百村を領せ"と命が下った
・故に経と矛を賜った二尊は、ウキハシの上に繁栄を得て、ホコノシツク(努力の結晶)のオノコロ(国家)に宮殿を造った
・そして、オオヤマトに万物を生んで、人草の食とコカヒの道を成してワイタメ(思慮)を定める功績を立てた
・すると、天の尊(中央の君)より、七代の基軸となるトホコノリ(調和・秩序を実現するための法)が与えられた」
用語解説
・ウヒチニ:トヨクンヌの後を継いだ四代目の君であり、夫婦となった史上初の男尊である
・スヒチ:ウヒチニの妻であり、夫婦となった史上初の女尊である
・ヰモツギノアメノマサカキ:上古の暦の指標とされる榊であり、6万年で枯れて植え継がれるという
・オオトノチ:ウヒチニの後を継いだ五代目の君であり、ツクノヰともいう("殿"の語源となった)
・オオトマエ:オオトノチの后であり、イククイともいう("前"の語源となった)
・オモタル:オオトノチの後を継いだ六代目の君
・カシコネ:オモタルの后
・イサナギ:根の国を治めたアワナギの長男であり、イサナミと結婚して七代目を嗣ぐ。『記紀』でいうイザナギに当たる
・イサナミ:トヨケ(豊受大神に当たる)の娘であり、イサナギと結婚して七代目を嗣ぐ。『記紀』でいうイザナミに当たる
原文(漢字読み下し)
・真榊(まさかき)の 植(う)ゑ継(つ)き五百(ゐも)に
・満(み)つる頃(ころ) 代嗣(よつき)の男尊(をかみ)
・ウヒチニの スヒチお入(い)るる
・最愛(さいあひ)の その基(もとおり)は
・越国(こしくに)の ヒナルノ岳(たけ)の
・上宮(かんみや)に 木(き)の実(み)お持(も)ちて
・生(うま)れませは 庭(にわ)に植(う)ゑおく
・三年後(みとせのち) 三月(やよい)の三日(みか)に
・花(はな)も実(み)も 百々(もも)成(な)る故(ゆえ)に
・モモの木(はな) 二尊(ふたかみ)の名(な)も
・モモヒナキ モモヒナミなり
・ヒナはまた ヒト成(な)る前(まえ)よ
・君(きみ)はその 木(き)の実(み)によりて
・男尊(をかみ)はキ 女尊(めかみ)はミとそ
・名付(なつ)きます
・人成(ひとな)る後(のち)に
・三月三日(やよいみか) 酒(みき)造(つく)り初(そ)め
・奉(たてまつ)る 桃下(ももと)に酌(く)める
・酒(みき)に月(つき) 映(うつ)り進(すす)むる
・女尊(めかみ)ます 飲(の)みて進(すす)むる
・後(のち)男尊(をかみ) 飲(の)みて交(まし)わる
・床(とこ)の酒(みき)
・身(み)暑(あつ)けれはや
・翌(あす)三朝(みあさ) 寒川(さむかわ)浴(あ)ひる
・袖(そて)浸(ひ)ちて 大小(うす)の和心(にこころ)
・全(また)きとて 名(な)もウヒチニと
・スヒチカミ
・これも水埴(うひ)和(な)る
・振言(ふること)や 大(おお)き少(すく)なき
・大小(うす)の名(な)も
・この雛形(ひなかた)の
・男(を)は冠(かむり) 大袖(うおそて)・袴(はかま)
・女(め)は小袖(こそて) 上被衣(うはかつき)なり
・この時(とき)に 皆(みな)妻(つま)入(い)れて
・八十(やそ)続(つつ)き 諸民(もろたみ)も皆(みな)
・妻(つま)定(さた)む 陽陰和(あめな)る道(みち)の
・具(そな)わりて 類(たくひ)成(な)るより
・年(とし)数(かそ)え 五百継天(ゐもつきあま)の
・真榊(まさかき)や
・五代(ゐつよ)の尊(かみ)は
・オオトノチ オオトマエなり
・ツノクヰは 大殿(おおとの)に居(ゐ)て
・イククイお 門前(とまえ)に会(あ)ひ見(み)
・妻(つま)となす 故(かれ)男(を)は殿(との)そ
・女(め)は前(まえ)と 八百(やも)続(つつ)き全(ま)て
・六代(むよ)の嗣(つき) オモタルの尊(かみ)
・カシコネと 八方(やも)お恵(めく)りて
・民(たみ)お治(た)す
・ヲウミ安曇(あつみ)の
・中柱(なかはしら) 東(ひかし)はヤマト
・ヒタカミも 西(にし)はツクシの
・葦原(あしはら)も 南(みなみ)阿波(あわ)・ソサ
・北(きた)は根(ね)の ヤマトサホコの
・チタルまて 及(およ)へと百万年(もよほ)
・嗣子(つきこ)なく 道(みち)衰(おとろ)ひて
・弁別(わいため)無(な)
・時(とき)に天(あめ)より
・二尊(ふたかみ)に ツボは葦原(あしはら)
・千五百秋(ちゐもあき) 汝(いまし)用(もち)ひて
・領(しら)せとて 経(と)と矛(ほこ)賜(たま)ふ
・二尊(ふたかみ)は うきはしの上(ゑ)に
・栄(さく)り得(う)る 祝(ほこ)の雫(しつく)の
・オノコロに 宮殿(みやとの)造(つく)り
・央(おお)ヤマト 万物(よろもの)生(う)みて
・人草(ひとくさ)の 食(みけ)も繭交(こか)ひも
・道(みち)成(な)して 弁別(わいため)定(さた)む
・功(いさおし)や
・天(あめ)の尊(かみ)より
・二尊(ふたかみ)の 七代(ななよ)の幹(みき)も
・経矛法(とほこのり)
現代語訳文の目的・留意点
・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
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