ホツマツタヱ7文 遺し文 清汚を立つ文:ソサノヲとヒルコの誓約【13】
現代語訳
・(一方、ソサノヲは罰を受けてサスラヲ(流離男)となった)
・そこで、天(中央政府)に上って、このように訴えた
・「このサスラヲ※(ソサノヲ)、以前のイサナギの御言を承って根国へ行こうと思う
・その前に、姉(ヒルコ)とまみえる猶予を頂きたい」
・すると、この訴えは許された
・そして、姉(ヒルコ)の居るヤスカワの方にも文によって知らされ、即座に広められた
・姉(ヒルコ)は、ソサノヲが荒れた性格であることを知っていた
・また、罪人になったのにも拘わらず、ヤスカワに向っていることに驚いて この様に言った
・「弟が来るという知らせは良いことではありません
・きっと、国を奪おうとしているのに違い無いでしょう
・もし、父母に任された国を棄て置けば、面目が立たなくなります」
・そういうと、姉(ヒルコ)はソサノヲが到着する前に武装し始めた
・まず、アゲマキ(総角)をし、髪が邪魔にならないようにした
・次に、裳裾を束ねて袴のようにし、動きやすくした
・次に、ヰモニミスマル(500珠の輪)を身体に巻いた(防具か?呪具か?)
・次に、チノリヰモノリ(千本の矢が入った靫と五百本の矢が入った靫)を肘に付けた
・次に、弓端を振り、剣を持った
・そして、カタニワ(朽萎)を発し広めて、猛烈な威勢でソサノヲを待ち構えた
・ソサノヲが到着すると、姉(ヒルコ)は大声で理由を問うた
・それに対して、ソサノヲはこの様に答えた
・「どうか、そのような怖い態度を取らないで欲しい
・私は以前の父の命に従い、根国に向かう途中なのだ
・そこで、その途中に挨拶に来たまでのこと
・姉である貴方に挨拶をした後、すぐに去ろうと思っている
・遥々やって来たのだ、疑わずに矛を収めてくれないか」
・姉(ヒルコ)は、このように返答した
・「その本心は何ですか?」
・すると、ソサノヲは答えた
・「口で言っても信用してもらえないだろう
・そのため、私は根国に行った後に子を生もう
・もし、その子が女であれば穢れた心、男であれば清い心であると思ってくれ
・これを誓いとして残しておく(いわゆる誓約)
・というのも昔、君(アマテル)がマナヰに居た時の話
・ミスマルの珠を濯ぐと、モチコがタナキネ(ホヒ)を産んだという
・また、床酒にハヤコを誘えば、十握の剣が3つに折れて再び交わり、一つとなった夢を見たという
・この後、ハヤコが三姫子を産んだため、三女の斎名には"タ"がついてるのだ
・私の心が穢れていれば姫を得て、共に恥して暮らしていこう」
・ソサノヲは、こうして誓いの宣言を残して去っていった
・なお、アマテルの三姫子は成人した後、オキツ島、サカムヱノ島、イツク島に自ら流離ったという
・また、サスラヲ(ソサノヲ)は、モチコ・ハヤコとのミヤビの過ちを晴らした後、臣として宮中に復帰した
用語解説
・サスラヲ:"曲り外れた男"の意であり、罪人となった後のソサノヲを指す
原文(漢字読み下し)
・流離男(さすらを)は 御言(みこと)を承(う)けて
・根(ね)に行(ゆ)かん 姉(あね)にまみゆる
・暫(しはし)しとて 許(ゆるせ)せば上(のほ)る
・ヤスカワ方(へ) 文(ふみ)轟(ととろ)きて
・鳴(な)り動(うこ)く
・姉(あね)は本(もと)より
・流離男(さすらを)が 粗(あ)るるを知(し)れは
・驚(おとろ)きて 弟(おとと)の来(く)るは
・清(さ)はあらし 国(くに)奪(うは)ふらん
・父母(かそいろ)の 任(よさ)しの国(くに)を
・棄(す)て置(お)けば 敢(あ)ゑ窺(うかか)ふと
・総角(あけまき)し 裳裾(もすそ)を束(つか)ね
・袴(はかま)とし 五百瓊(ゐもに)ミスマル
・絡巻(からまき)きて 千乗(ちの)り・五百乗(ゐもの)り
・肱(ひち)に付(つ)け 弓端(ゆはす)を振(ふ)りて
・剣(つるき)持(も)ち 朽萎(かたにわ)噴(ふ)んて
・蹴散(けち)らして 厳(いつ)のお猛(たけ)に
・なしり問(と)ふ
・ソサノヲ曰(いわ)く
・な怖(おそ)れそ 昔(むかし)根(ね)の国(くに)
・行(ゆ)けとあり 姉(あね)とまみゑて
・後(のち)行(ゆ)かん 遥(はる)かに来(く)れは
・疑(うたか)わて 厳(いつ)返(かゑ)しませ
・姉(あね)問(と)わく 素心(さこころ)は何(なに)
・その答(こた)え 根(ね)に到(いた)る後(のち)
・子(こ)お生(う)まん 女(め)ならは穢(けか)れ
・男(を)は清(きよ)く これ誓(ちか)ひなり
・昔(むかし)君(きみ) マナヰにありて
・ミスマルの 珠(たま)お濯(そそ)きて
・タナキネを モチに生(う)ませて
・床酒(とこみき)に ハヤコを召(め)せは
・その夢(ゆめ)に 十握(とつか)の剣(つるき)
・折(お)れ 三割(みきた) 添(さ)かみに交(か)んて
・共(みた)となる 三人(みたり)姫(ひめ)生(う)む
・タの斎名(いみな)
・我(われ)穢(けか)れなは
・姫(ひめ)を得(ゑ)て 共(とも)恥見(はちみ)んと
・誓(ちか)い去(さ)る
・姫(ひめ)人成(ひとな)りて
・オキツ島(しま) サカムヱノ島(しま)
・イツク島(しま) 己(み)からさすらふ
・流離男(さすらを)の 翳(かけ)のミヤビの
・誤(あやま)ちを 晴(は)らして後(のち)に
・帰(かえ)ります
現代語訳文の目的・留意点
・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
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