現代語訳

・昔、イサナギ・イサナミの二尊が残した遺し文にはこうある
 ・『アメノメクリ(陽陰の巡り)の蝕みをマサカニ※によって占えば、中が濁って見えた
 ・そのときに産まれたソサノヲは、きっと霊が乱れているだろう
 ・そのため、我々は国の隈を成す過ちを犯してしまった
 ・男は父(陽)に得て、地(陰)を抱け
 ・女は母(陰)に得て、天(陽)と結ばれよ
 ・また、ウキハシ(仲人)を得て嫁ぐべし
 ・女はツキシホ(月潮)の後、3日以内に清くアサヒ(朝日)を拝み受ければ、良い子を産むだろう
 ・誤って穢れた時に孕んだ子は、必ず粗悪な子となるだろう
 ・前後(陽陰の前後)が乱して過ちを犯した我が恥を、後の掟のウラカタ※(占形)として残しておくことにする
 ・必ずこれを忘れてはならない』

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用語解説

・マサカニ:陽陰の巡りの蝕みを見る珠であり、ヤサカニノマカルタマと同義と捉えられる
・ウラカタ:"本質・原理を形として現したもの"、"占いの判断材料にする類型"などの意味合いで捉えられる

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原文(漢字読み下し)

・昔(むかし)二尊(ふたかみ)
・遺(のこし)し文(ふみ) 陽陰(あめ)の巡(めく)りの
・蝕(むしは)みを 見(み)るマサカニの
・中(なか)濁(こ)りて 生(う)むソサノヲは
・霊(たま)乱(みた)れ  国(くに)の隈成(くまな)す
・誤(あやま)ちそ

・男(を)は父(ちち)に得(ゑ)て
・地(は)を抱(いた)け 女(め)は母(はは)に得(え)て
・天(あ)と結(ゐ)ねよ うきはしを得(え)て
・婚(と)くへし 女(め)は月潮(つきしほ)の
・後三日(のちみか)に 清(きよ)く朝日(あさひ)を
・拝(おか)み受(う)け 良(よ)き子(こ)生(う)むなり

・誤(あや)りて 穢(けか)るる時(とき)に 
・孕(はら)む子(こ)は 必(かなら)す粗(あ)るる
・前後(まえうしろ) 乱(みた)れて流(なか)る
・我(わ)か恥(はち)を 後(のち)の掟(おきて)の
・占形(うらかた)そ 必(かなら)すこれを
・な忘(わす)れそこれ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります