現代語訳

・(景行)53年(上鈴840年)
 ・御船は上総へと向かい、アホノハマに到着した
  ・そこでミサゴ(カモメ)が餌を食べているのを見て、それを民に問うた
  ・民は「あれはウムギ(蛤)と言って賤民が食べる貝です、膾(ナマス)にするのも好いです」と答えた
  ・すると、ムツカリがガマタスキをして蛤を獲り、早速 膾にして君に進上した
  ・これ故にムツカリはカシハトモベの名を賜った
   ・なお、ムツカリとはオオヒコの孫のイワカのことである
 ・また、カシマカグラのシシマヒ(猿回し)について聞けば、カトリトキヒコがこれに答えた
  ・「これは昔、妙技と呼ぶべきほどに跳ね踊る獣らをツチキミ(サルタ)が統べて仕込み、完成させたものです」
  ・君が楽しんだカグラシシは鹿島の島々に伝えられてきた芸で、君は「障り無かれ」と言って(獣を)玩んだ
  ・これ故に猿治の尊(サルタノカミ)のナニシアフ(名に釣り合う)と評された

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用語解説



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原文(漢字読み下し)

・御船(みふね)上総(かつさ)へ
・アホの浜(はま) 鶚(みさ)餌(こゑ)食(は)むお
・民(たみ)に問(と)ふ あれは海蛤(うむき)と
・賎(しつ)か食(は)む 膾(なます)も好(よ)しと

・ムツカリか 蒲襷(かまたすき)して
・獲(と)る海蛤(うむき) 膾(なます)になして
・進(すす)むれは 膳伴部(かしはともへ)と
・名(な)お賜(たま)ふ オホヒコの孫(まこ)
・イワカなり

・姦神楽(かしまかくら)の
・獣舞(ししまひ)お 問(と)えはトキヒコ
・これ昔(むかし) 妙(いよ)に渡(わた)りて
・騒(しし)はむお 辻君(つちきみ)統(と)りて
・立(た)て全(ま)つる

・君(きみ)楽(たの)しみの
・神楽獣(かくらしし) 弥万(やよろ)鹿島(かしま)に
・ある形(かたち) 障(さわ)り無(な)かれと
・玩(もてあそ)ふ

・猿治(さるた)の尊(かみ)の
・名(な)にし負(あ)ふ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります