ホツマツタヱ11文 三種譲り承けの文:アマテルによる日嗣の詔【4】
現代語訳
・ウホキミ※(治君)のヨロマロは門から出て、アマテルを出迎えた
・そこで、御使のカスガマロは莚に立ち、オシホミミは九重の褥(敷物)を降り、六重にてアマテルの詔を待った
・皆が待っているとアマテルは早速 詔を発した
・「オシヒト(オシホミミ)は私の代わりに君となる条件が整った
・これをもって、それぞれの季節の移ろいに民を慈しんで治めよ
・このヤサカニノマカルタマ※を私のクシヒル※として用いれば、ナカゴ※(心)も真直ぐに保てるだろう
・また、ヤタノカガミ※は法に照らすもの、これで諸人のサカ(清汚)を鑑みよ
・また、ヤヱガキノタチ※は右の臣に預け、争いがあれば平らして恵み和せよ
・この三種の神器を私の手から受け継き、宝物として我を見る如く、慎重に扱うがよい
・そして、娶ったチチヒメと相共に、常に中睦まじく一筋にミヤビ(和合)なせ
・私は父母の二尊のトホコノミチ※(経矛の道)を完成させた
・我が子孫が連綿とその道を行けば、日月は栄え、天地に真に境界は無くなるだろう
・フツヌシとミカツチは常に侍し、政を守護せよ
・また、マユミヌノ※(麻績布)、ヤトヨノハタ※(八豊の幡)、ハクワユミ※(環弓)、ハハ矢※も添えて与えよう」
・アマテルの詔が一段落すると、御使のカスガマロが莚を降りた
用語解説
・ウホキミ:ヒタカミを治める君を指し、この時はヨロマロに当たる
・ヤサカニノマカルタマ:陽陰の巡りを見る環形(真円形)の珠であり、心を真直ぐ保てるという(三種宝の一)
・クシヒル:貴く神秘的な霊体(エネルギー)という意味合いを指す
・ナカゴ:心、中核、本質などの意味合いを指す(いわゆる心と捉えて差し支えない)
・ヤタノカガミ:諸人の善悪を見分けるために用いる鏡であり、法の象徴とされる(三種宝の一)
・ヤヱガキノタチ:法を犯す者を裁く、または抑止のための剣であり、警察力の象徴とされる(三種宝の一)
・トホコノミチ:"調和と秩序の実現を成すための法と警察力"を指し、三種宝は これを表す物と捉えられる
・マユミヌノ:麻の繊維を紡いだ糸で織った織物であり、"驕りを戒める"モノサネ(それを象徴する物)とされる
・ヤトヨハタ:"八隅の民の豊かさの実現"を示すモノサネであり、トホカミヱヒタメの八元神を表すと推定される
・ハクワユミ:"小事を繰り返し継続することで大成すること"を象徴するモノサネとされる
・ハハヤ:"和して照らす者"を意味するモノサネとされる
原文(漢字読み下し)
・治君(うほきみ)門(かと)に
・出(い)て迎(むか)ふ 御使(をしか)莚(むしろ)に
・立(た)ちなから 君(きみ)九重(ここのゑ)の
・褥(しとね)降(お)り 六重(むゑ)に聞(き)きます
・御言宣(みことのり)
・汝(なんち)オシヒト
・我(わ)か代(かわ)り 常(つね)の任(よさし)も
・充(み)た足(た)しそ 千々(ちち)の春秋(はるあき)
・民(たみ)お撫(な)て
・このヤサカニの
・環珠(まかりたま) 吾(あ)か貴霊(くしひる)と
・用(もち)ゆれは 中子(なかこ)ますくに
・保(たも)つなり
・ヤタの鏡(かかみ)は
・経(たて)に触(ふ)れ 諸人(もろひと)の清汚(さか)を
・鑑(かんか)みよ
・また八重垣(やゑかき)は
・右(つ)に預(あつ)け 争(あらか)みあらは
・よく平(む)けて 恵(めく)み和(やわ)せて
・己手(みて)つから 賜(たま)ふ三種(みくさ)を
・受(う)け給(たま)え なおも重(おも)ゑよ
・宝物(たからもの) 見(み)ること我(われ)を
・見(み)る如(こと)く 娶(めと)るチチ姫(ひめ)
・相共(あひとも)に 常(つね)睦(むつ)ましく
・みやひなせ
・我(われ)二尊(ふたかみ)の
・道(みち)お成(な)す 我(わ)か子(こ)つらつら
・道(みち)行(ゆ)かは 日月(ひつき)の栄(さか)え
・天(あめ)・地(つち)と まさに際無(きわな)し
・フツヌシと ミカツチ常(つね)に
・侍(はんへ)りて 政事(まつりこと)守(も)れ
・麻績布(まゆみぬの) 八豊(やとよ)の幡(はた)と
・環弓(はくわゆみ) ハハ矢(や)を添(そ)えて
・賜(たま)ふのみ
・御使(をしか)莚(むしろ)を
・降(お)りにけり
現代語訳文の目的・留意点
・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
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