ホツマツタヱ8文 霊還し ハタレ打つ文:イフキヌシによるアメヱノミチ戦(天狗)【15】
現代語訳
・チワヤ(地名を指す)からアメヱノミチ※からアマテルに話し合いの申し出があった
・そこで、アマテルはイフキヌシ※を召して執りとめさせた
・そこで、イフキヌシが御幸輿を先導してアメヱノミチの元に到った
・まず、ハタレは「カンカミ(アマテル)か?」と問うた
・すると、イフキヌシは「神の奴である」と答えた
・また、ハタレは「奴よ、神は なぜ輿に乗るのだ?」と問うた
・すると、イフキヌシは「お前達もを奴とするために乗っているのだ」と答えた
・そこで、ハタレは「お前は若輩者に見える、恥をかかせて奴としてやろう」と言った
・そして、ハタレはハタタカミ(雷)を鳴り巡らせた
・すると、イフキヌシはウツロヰ※を招いて雷をかき消した
・次にハタレは、叢雲で周辺を覆って暗くした
・すると、イフキヌシはシナト※を招いて吹き払った
・次にハタレは、炎を吐いて室を焼いた
・すると、イフキヌシはタツタヒメ※を招いて炎を消した
・とうとうハタレは行き詰まり、礫の霰を降らせて攻め込んだ
・これにカミイクサはヒレ(領巾)を着て対処し、敵中にカグ(橘の実)を投げ入れた
・すると、ハタレマたちが競ってカグを奪い合った
・そこで、隙を見て一気に攻め立て、カグに夢中になったハタレマを捕らえてしまった
・今度はハタレもヒレ(領巾)を着て、マハスハヰ(貝独楽)のように廻って翻弄した
・イフキヌシは考えて、貝を放るホラ貝を吹かせ、モノマのヒレ(領巾)を消した
・そして、カグを投げ入れるて貪らせ、隙を見てこれを討った
・今度はハタレは槌を以って神(アマテル)を討とうと考えた
・すると、アマテルはニキテ※(手印)を組んで槌をトベラノハウチワ(天狗の団扇)に変えてしまった
・打つ手が無くなったアメヱノミチは逃げようとしたが、それをタチカラヲ※が捕らえて縄で縛りあげた
・そして「お前も奴となるべきだと思うが、どうか?」と尋ねたが、何も言わなかった
・そこで、タチカラヲが斬ろうとするとイフキヌシが止めた
・そして奴となる誓いを立てさせた
・これにより、10万のモノマの天狗影(アヰヌカケ)の影響も日三の炎も逃れることが出来た
・すると、助命されたアメヱノミチらは「ちわやぶるかみのめくみ(アマテルの恵み)」と散々拝んだ
※アメヱノミチとの問答については、状況がよく分からない
用語解説
・アメヱノミチ:ムハタレの一つで、アヰヌ(天狗)の類で構成されているという
・イフキヌシ:ツキヨミの子であり、ムハタレ討伐で活躍し、さらにソサノヲの臣への復帰の手助けもする
・ウツロヰ:空を治める神を指す
・シナト:風を治める神を指す
・タツタヒメ:タツを治め、水を操る神を指す
・ニキテ:四十九神(根源神と元明四十八神)を手の造形で表現したものであり、様々な現象を起こすことが出来る(タミメ)
・タチカラヲ:オモイカネとヒルコの子であり、『記紀』でいうタヂカラオに当たる
原文(漢字読み下し)
・チワヤより アメヱノミチか
・御神(をんかみ)に 言語(ことかた)らんと
・呼(よ)はらしむ 君(きみ)イフキトに
・執(しつ)めしむ
・イフキトヌシは
・御幸輿(みゆきこし) ハタレが問(と)わく
・上尊(かんかみ)か 答(こた)えて神(かみ)の
・奴(やつこ)なり また問(と)ふ奴(やつ)
・輿(こし)は何(なに) 曰(いわ)く汝(なんち)を
・奴(やこ)とせん 故(ゆえ)に乗(の)るなり
・またハタレ 汝(なんち)若生(わかは)ゑ
・恥(はち)見(み)する 奴(やつこ)とせんと
・鳴(な)り巡(めく)る ハタタ神(かみ)なり
・イフキトは ウツロヰ招(まね)き
・これお消(け)す 叢雲(むらくも)覆(おお)ひ
・暗(くら)ませば シナトを招(まね)き
・吹(ふ)き払(はら)ふ 炎(ほのほ)を吐(は)きて
・室(むろや)焼(や)けは タツタ姫(め)招(まね)き
・これお消(け)す
・ハタレむせんて
・適(この)はして 礫(つふて)霰(あられ)に
・飛(た)み攻(せ)める 御方(みかた)領巾(ひれ)着(き)て
・橘(かく)入(い)れて 棄(う)ちこほさせは
・ハタレマの 奪(うは)ひ食(は)む間(ま)に
・捕(と)り縛(しは)る
・ハタレも領巾(ひれ)し
・回(まは)す貝(はゐ) 廻(み)て驚(おとろ)けは
・考(かんか)ゑて ホラ貝(かゐ)吹(ふ)かせ
・マ領巾(ひれ)消(け)し 橘(かく)貪(むさほ)らせ
・これお討(う)つ
・ハタレ槌(つち)以(も)て
・神(かみ)お打(う)つ 神(かみ)は和手(にきて)に
・打(う)つ槌(つち)の 破(や)れて海桐花(とへら)の
・葉団扇(はうちわ)や
・ここにハタレか
・胸騒(むなさわ)き 逃(に)くるを掴(つか)む
・タチカラヲ 遂(つい)に蕨(わらひ)の
・縄縛(なわしは)り 汝(なんち)奴(やつこ)と
・なすへきや なるやと言(い)えと
・物言(ものい)わす
・斬(き)らんとすれは
・イフキヌシ 留(とと)めてこれも
・誓(ちか)いなす 十万(ひます)のモノマ
・天狗影(あゐぬかけ) 炎(ほのほ)も逃(のか)れ
・幸振(ちわやふ)る 神(かみ)の恵(めく)みと
・散々(ちち)拝(をか)む
現代語訳文の目的・留意点
・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
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