現代語訳

ニニキネは「ミオのチワキも、田に水を張った様子は鏡のようだ」と言い、仮宮をミヅホノミヤと名付けた
・その後、タガに行き、二尊に幣を捧げた
・また、ミノに行けば、アマクニタマ※が喜んでマクワ※(メロンの一種)を各々に一籠ずつ差し入ると、皆も喜んだ
 ・マクワは、昔 カスガに肖って名付けたアメワカヒコが、タカヒコネに瓜二つだったことから生まれた捧げ物である
・また、ニニキネ一行はクモヂ(雲道)を分けてシナノスワから導いた
・また、ハラミ山(富士山)から四方を見て「スソノは広い、水場を埋めて裾野を田にしよう」と詔した
 ・そこで、タチカラヲを召して八方を掘らせ、出来た湖のそれぞれに名前を付けた
  ・東はヤマナカ(山中湖)
  ・東北はアス(明見湖)
  ・北はカハクチ(河口湖)
  ・北西はモトス(本栖湖)
  ・西はニシノウミ(西湖)
  ・西南はキヨミ(精進湖)
  ・南はシビレウミ(四尾連湖)
  ・東南はスド(須戸湖)

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用語解説

・アマクニタマ:カナヤマヒコの子で、アメワカヒコ、オクラヒメの父。『記紀』でいう、アマツクニタマに当たる
・マクワ:アマクニタマがニニキネ一行に捧げた食物(真桑瓜のことを指すと推定される)
・マクワの由来:カスガワカヒコに肖って名付けられたアメワカヒコが、タカヒコネと瓜二つだったことに由来する

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原文(漢字読み下し)

・御言宣(みことのり) ミオのチワキも
・田(た)はここに これ鏡(かかみ)なり
・仮宮(かりみや)お ミヅホと名(な)付(つ)く

・タガに行(ゆ)き 幣(ぬさ)お捧(ささ)けて
・ミノに行(ゆ)き アマクニタマの
・喜(よろこ)ひも 昔(むかし)カスガに
・瓜合(うるりゑ)て 生(う)むタカヒコネ
・捧(ささ)け物(もの) 各々(おのおの)マクワ
・一籠(ひとかこ)と 八十(やそ)喜(よろこ)ひて

・雲路(くもち)分(わ)け シナノスワより
・導(みちひ)けは ハラミ山(やま)から
・四方(よも)お見(み)て 裾野(すその)は広(ひろ)し
・水(みつ)お埋(う)み 裾野(すその)田(た)にせん

・タチカラヲ 八方(やも)に掘(ほ)らしむ
・湖(うみ)の名(な)も 東(き)はヤマナカと
・東北(きね)はアス 北(ね)はカハクチと
・北西(ねつ)モトス 西(つ)はニシノウミ
・西南(つさ)キヨミ 南(さ)はシビレウミ
・東南(きさ)はスド

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります