現代語訳

アマテルの詔が終わると、フツヌシ※が手立(戦略)を問うた
 ・これに、カナサキが答えて このように言った
  ・「我を通さず、慈しみを以ってカンカタチ(神の顕現)を成すべきであろう
  ・ナカゴ※(心)の曲がりを直して素直に行えば、カンチカラ(神の力)を発するのだ
  ・深く物事を慮れば神の意識が通り、物事の調和を保つクシヒル※(奇霊)となろう
  ・ただ、調和することこそ、有効な手立てである」
・これを聞いた神※(アマテル※)は喜んで、カナサキをミソキツカサ(禊司=この場合の軍師)に任命した
 ・また、フツヌシを副官とし、タケミカツチも随行させた
 ・そして、「力を合せてハタレを敗れ」と詔して、アマノカコユミとハハ矢を授けた

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用語解説

・フツヌシ:アマノコヤネの叔父に当たり、『日本書紀』でいうフツヌシに当たる
・ナカゴ:心・中核・本質などの意味合いがあり、タマシヰ(魂+魄)とも言い換えられる概念とされる
・クシヒル:貴く神秘的なエネルギーを指す(いわゆる"くしび"と同じ)
・カミ:ホツマツタヱにおける「カミ」は死者と生者では意味合いが異なると思われる。ここでいうカミは霊的な「神」を指す
・アマテル:いわゆるアマテラスであり、日月の顕現であるとされるため、現世における物的な「神」であると見なされる

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原文(漢字読み下し)

・フツヌシが 手立(てたて)を問(と)えは
・カナサキの 翁(をきな)答(こたゑ)えて
・我(われ)も無(な)し 慈(ゐつく)しお以(も)て
・神形(かんかたち) 中子(なかこ)素直(すなお)に
・神力(かんちから) 良(よ)くもの知(し)るは
・神(かん)通(とほ)り 事和(ことなふ)保(たも)つ
・奇霊(くしひる)そ たた和(やわ)らきを
・手立(てたて)なり

・神(かみ)の実心(みこころ)
・麗(うる)わしく 禊司(みそきつかさ)お
・カナサキに フツヌシ副(そ)えて
・ミカツチも 功(いさおし)合(あ)わせ
・打(う)たしむる 陽陰(あま)のカコ弓(ゆみ)
・ハハ矢(や)添(そ)え ハタレ敗(やふ)れと
・賜(たま)ひけり

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります