現代語訳

・その後、ニニキネはコノヤマに登り廻った
 ・此処から見る八峰の風景は、ナカゴ(心)を安心させる氷雪の絶えない峰であった
 ・そのため、代々の名もトヨヰユキヤマと名付けた
・コノシロノタツの"タツタノカミ※"の如く、コノシロイケのミヤコトリにラハナ※を投げれば寄り集まる
 ・この鳥が群れたトリタスキの風景を、コモリが衣に描く絵と成した
 ・また、チヨミクサ※も君の御衣装に染めて、その様を写した
ニニキネは順調に政を聞き召した
 ・その秋、瑞穂(稲作)に力を入れたため、ヤマハトの御衣とした
 ・また、紋に果を留めて錦を織り、大嘗を祭る御衣とした

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用語解説

・タツタノカミ:龍を治める者で、海・山・里のミイキを悟って満ち至った龍がタツタの尊とされる
・ラハナ:ハラミ山(富士山)に生えるチヨミクサの一つ
・チヨミクサ:富士山に生える長寿の草を指す(神武朝に当たる時代の富士山噴火により絶滅したとされる)

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原文(漢字読み下し)

・その後(のち)に 君(きみ)熟山(このやま)に
・登(のほ)り廻(み)て 中子(なかこ)安(やす)めり
・八峰(やつみね)に 凍雪(ゐゆき)絶(た)えねは
・代々(よよ)の名(な)も 豊凍雪山(とよゐゆきやま)

・熟精(このしろ)の 竜(たつ)のタツタの
・尊(かみ)の如(こと) 熟精池(このしろいけ)の
・ミヤコ鳥(とり) ラハ菜(な)投(な)くれは
・束群(たはむ)れる 鳥(とり)たすきとて
・衣(は)に埋(ゐ)ます コモリ絵(ゑ)に成(な)す
・千齢見草(ちよみくさ) 御衣裳(みはも)に染(し)みて
・様(さま)写(うつ)す

・随(まま)に政(まつり)お
・聞(きこ)し召(め)す この秋瑞穂(あきみつほ)
・力(ちから)なす 故(かれ)熟果留(やまはと)の
・御衣(みは)となす 紋(あや)に果(は)お留(と)め
・織(お)る錦(にしき) 大嘗(おおなめ)祭(まつ)る
・御衣(みは)はこれ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります