現代語訳

・(アマテルは故事を以って説明し、話を続けた)
・「思え、命は正味の宝、保つにはコトワサ(優れた行い)をせよ
・万君も一人の命に違いない
・寿命の前に枯れれば苦しむことになり、タマノヲが乱れて天に還れなくなるぞ
・齢を保って天寿を全うすれば、天に上がるときには楽しんで死ねるのだ
・すなわち、ココナ※(菊菜)のように齢を全うして枯れてもなお、匂いを残すように全うすること
・人の身も同じく、スガカテ※(清食)を食して万穂(万歳)を得れば、枯れた匂いも菊菜の様になる
・されば、骸を残して直ぐに神形となろう
カシシ※(汚肉)を食えば臭くなり、タマノヲも乱れてしまう
・乱れたタマノヲを解くにはアラヒミ(洗身)とウルトナ(潤留菜)が必要となる
・潤留菜は、菊菜の日月の霊種であるため、食えば見識も明らかになる
・よって、アメノミチ(陽陰の道)を合い求めるようになるだろう
・陽陰の道を為す人は神に合い求む、それ故に菊菜を愛でるのであろう」

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用語解説

・ココナ:究極の菜を指す
・スガカテ:清く優れた食糧を指す
・カシシ:穢れた食糧のことで、主に獣の肉を指す

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原文(漢字読み下し)

・思(おも)え命(いのち)は
・実(み)の宝(たから) 殊業(ことわさ)もせな

・万君(よろきみ)も ひとり命(いのち)の
・変(かわ)わりなし 時(とき)来(こ)ぬ枯(か)れは
・苦(くる)しみて 霊(たま)の結(を)乱(みた)れ
・天(あ)に和(あ)えす

・齢(よあひ)保(たも)ちて
・天(あ)に上(あ)かる 時(とき)は楽(たの)しみ
・罷(まか)るなり

・これ菊菜(ここなし)の
・時(とき)全(ま)ちて 枯(か)るる匂(にほひ)も
・人(ひと)の身(み)も 清糧(すかかて)食(は)みて
・万穂(よろほ)得(ゑ)て 枯(か)るる匂(にほい)も
・菊菜(ここなし)そ 骸(おもむろ)直(す)くに
・神形(かんかたち)

・汚肉(かしし)は臭(くさ)く
・結(を)も乱(みた)れ 解(と)くは洗身(あらひみ)
・潤留菜(うるとな)も

・菊菜(ここな)日月(ひつき)の
・霊種(みたね)ゆえ 食(く)えは目(め)の玉(たま)
・明(あき)らかに 合(あ)ひ求(もと)むなり
・陽陰(あめ)の道(みち) 為(な)す人(ひと)神(かみ)に
・合(あ)ひ求(もと)む 故(ゆえ)に菊菜(ここなし)
・愛(め)つむこれかな

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります