現代語訳

【代嗣文 イキスの文(よつきふみ いきすのあや)】

・25鈴100枝28穂
・ホツマ国のカシマの宮の代嗣には、ツハヤムスビの孫であるココトムスビ※の若子のアマノコヤネ※が据えられた
 ・アマノコヤネは成人してからアメノミチ※を得た
・一方、カシマ宮のミカツチ※は男の代嗣欲しさにカシマを発ち、カトリ宮に到った
 ・そこでフツヌシ※を相手にこのように物語った
 ・ミカツチは「差使だったコヤネに対面した折、そこでコヤネの計り知れば、気心が通うような印象を持った」と言った
 ・フツヌシは「今より貴の子となれば、我も子を儲けたと同然のこと、共に上って仲人となろう」と言った
・そして、天のナカクニの御笠山にいる父(ココトムスビ)に事の次第を離せば、婚姻の許しも調った
・また、アマテル※に報告すれば、これを祝って詔を賜り、二君は神にまみえて国に帰った
・その後、夫婦となったコヤネヒメ※は因み合い、コトホギも終われば仲睦まじく過ごした
 ・そして、コヤネ天(アマテル)に仕えた

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用語解説

・ココトムスビ:アマノコヤネの父のヰチチの称名。霊還しの方法を整えた功績により、他にカスガトノの名などを賜った
・アマノコヤネ:カスガの尊名。後にタケミカツチの娘と結婚する。『記紀』でいうアメノコヤネに当たる
・アメノミチ:陰陽和合・調和の道を説く道徳を指す
・ミカツチ:ヲバシリの子であり、ムハタレ討伐やカシマ立ちで活躍する。『記紀』でいうタケミカヅチに当たる
・フツヌシ:アマノコヤネの叔父に当たり、『日本書紀』でいうフツヌシに当たる
・アマテル:イサナギ・イサナミの子であり、『記紀』でいうアマテラスに当たる。日月(太陽・太陰)の顕現と見なされる
・ヒメ:タケミカツチの一人娘で、アマノコヤネの妻となる。斎名は無いためヒメと呼ばれ、区別のために君・上が付く

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原文(漢字読み下し)

【代嗣文(よつきふみ) イキスの文(あや)】

・二十五鈴(つついすす) 百枝二十八穂(ももゑふそやほ)
・ホツマ国(くに) カシマの宮(みや)の
・代嗣(みよつき)に ツハヤムスビの
・孫(みまこ)なる ココトムスビの
・若子(わかみこ)の アマノコヤネの
・人(ひと)と成(な)り 陽陰(あめ)の道(みち)得(ゑ)て

・宮(みや)は背(せ)の 嗣子(つきこ)欲(ほ)しさに
・カシマ発(た)ち カトリに到(いた)る

・物語(ものかた)り 応(こた)うフツヌシ
・差使(さほしか)に 向(む)かふ折節(おりふし)
・計(はか)り知(し)る 通(かよ)ふ情(なさ)けの
・思(おも)ひあり 今(いま)より貴(むち)の
・子(こ)となさは 我(われ)も儲(もふ)けの
・子(こ)の如(こと)し 共(とも)に上(のほ)りて
・仲人(なかうと)と

・天(あめ)の中国(なかくに)
・ミカサ山(やま) 父(とと)に語(かた)れは
・調(ととの)ひて 天(あめ)に伺(うかか)ふ
・この由(よし)も おかみ喜(よろこ)ふ
・御言宣(みことのり) 交(まし)わり帰(かえ)る

・因(ちな)み合(あ)ひ 寿(ことほき)き終(お)はり
・睦(むつ)ましく コヤネは天(あめ)に
・仕(つか)えます

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります