ホツマツタヱ16文 孕み謹む帯の文:男女の産み分けの方法【4】
現代語訳
・コモリはヒメキミの呼吸の様子を診ながら腹を撫で、笑顔でこういった
・「呼吸が足らないのは女の子の証拠でしょう
・これはアマノコヤネの口癖です」
・すると、ヒメキミはこのように言った
・「私は女子を儲けるのですね
・これは、次にタチカラワコ(男子)を招き入れる我が喜びのカドビラキ(門開き)でしょう
・この子は恵みの前の花です」
・(すると、コモリが男女の産み分けについて説明した)
・「実なる男子はヒノミタマ(日の神霊)に依ります
・まず、陽(日神霊)をコモリク(子宮)のミハシラに向って招きます
・そこに陰(月神霊)を招くと、陽が回り始めて陰を包みます
・陰が狭まれば生え出るのがハナクキのシヂ(男根)で、陽の始めです
・これが男子を生む方法です
・女子は、女(母)の目に受けるツキミタマ(月神霊)が宮を潤します
・すると、胎芽から離れた月神霊が、後から受くる日神霊と交わります
・この場合は陰から回り始めて陽を包みます
・されば、陽は衰退してシヂは成らず、タマシマ(女陰)が内に窄んで陰の始めとなります
・これが女子を生む方法です
・女は月(天体)の運行が遅くなれば日々の呼吸が347回ずつ増します
・29日目には11,063回となり、30日目に1つ戻って、31日目から33日目までの3日の内に日に19回ずつ戻ります
・34日目も1つ戻って59回減ります(1+19*3+1=59、11,063-59=11,004)
・35日目から日々347回増加して、40日目には元の増加量に戻り、合計26,372回となります(11,004+347*6+13,086=26,272)
・そして、臨月となれば、胞衣の回転も準えて やがて生まれるのです
・ただし、例外もあります
・アマテル※は胞衣の中に96ヵ月居ました
・タチカラヲ※は36ヵ月です
・サルタヒコ※は16年でした
・普通は男子は1年、女子は10ヵ月(メツキ)です
・イキス(呼吸)が好ければ、生むのも楽でしょう」
用語解説
・アマテル:日の神で、いわゆるアマテラスに当たる。イサナミの胎内に96ヵ月居て生まれた
・タチカラヲ:ヒルコとオモイカネの子で、ヒルコの胎内に36ヵ月居て生まれたとされる
・サルタヒコ:父母は不明だが、ニニキネやアマテルに忠を尽くしたカミ。母の胎内に16年居て生まれたとされる
原文(漢字読み下し)
・コモリはヒメの
・イキス診(み)て 繁腹(ちはら)お撫(な)てて
・笑(ゑ)みす顔(かほ) イキス足(た)らぬは
・姫子(ひめみこ)よ これ殿君(これとのきみ)の
・常語(とこかた)り
・我(われ)姫子(ひめみこ)お
・儲(まふ)けらん タチカラ分子(わこ)を
・招(まね)かんな 我(わ)か喜(よろこ)ひの
・門開(かとひら)き 其方(しか)は儲(もふ)けの
・胸(むね)の花(はな)
・実(み)なる男(を)の子(こ)は
・日(ひ)の神霊(みたま) まつ籠(こも)りくの
・実柱(みはしら)に 向(むか)ひ直(た)に居(ゐ)て
・陰(め)お招(まね)き 陽(を)まつ回(めく)りて
・陰(め)お約(つつ)む 陰(め)か狭(せは)まりて
・生(は)ゑ出(い)つる 放茎(はなくき)はシヂ
・陽(を)の始(はし)め 男(を)の子(こ)生(う)むなり
・女(め)の子(こ)には 女(め)の目(め)より受(う)く
・月神霊(つきみたま) 宮(みや)お潤(うるほ)し
・背(そむ)き居(ゐ)て 後受(のちう)くる日(ひ)の
・交(まし)わりは 陰(め)まつ回(めく)りて
・陽(を)お約(つつ)む 陽(を)はシヂ成(な)らす
・玉島(たましま)か 内(うち)に窄(つほ)みて
・陰(め)の始(はし)め 女(め)の子(こ)生(う)むなり
・女(め)は月(つき)の 遅(おそ)く回(めく)れは
・日々(ひひ)の増(ま)し 三百四十七(みもよそな)つつ
・二十九日(ふそこ)は 万千六十三(よろちむそみ)の
・三十日(みそか)には 一(ひと)つ戻(もと)りて
・三十一(みそひ)より 三十三日(みそみ)まても
・三日(みか)の内(うち) 日(ひ)に十九戻(そこもと)り
・三十四日(みそよか)も 一戻(ひともと)りして
・五十九(さつめ)減(へ)り
・三十五日(みそゐか)よりそ
・日々(ひひ)の増(ま)し 三百四十七(みもよそな)なり
・四十日(よそか)には 元(もと)・増(ま)し共(とも)に
・二万六千(ふよろむち) 三百七十二(みもなそふ)にて
・満(み)ち極(きわ)む 胞衣(ゑな)の回(めく)りも
・準(なそら)えて やかて生(うま)れん
・大御神(ををんかみ) 九十六月(こそむ)座(つきま)す
・このコヤネ 百月(ももつき)座(ま)せり
・タチカラヲ 三十六月(みそむつき)座(ま)す
・サルタヒコ 十六年(そむとし)居(お)れと
・これは稀(ま)れ
・男(を)の子(こ)は年(とし)に
・女(め)は十月(とつき) イキス好(す)けれは
・生(う)むも安(やす)きそ
現代語訳文の目的・留意点
・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります
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