現代語訳

【カシマ立ち 釣鯛の文(かしまたちつりたいのあや)】

・25鈴93枝年のサアヱ(37穂)の夏のこと
 ・橘枝が萎み、フトマニ※によって"シチリ"の凶事が浮かび上がった
 ・そのため、このフトマニの結果をイヅモ(西北隅の国)に報告することにした
・イヅモにこれを伝えたヨコベ(補佐・監査役)が戻ってくると、このように報告した
 ・「出雲八重垣のオホナムチは、額に"タマガキウチミヤ(玉垣内宮)"と掲げています
 ・また、ココノヱ(皇居)に匹敵する規模の宮を築いています
 ・これは陽陰の道にある"満つれば欠けるの理"の現れでしょうか?」
・(この報告を受け、謀反が起きぬように出雲の出過ぎた態度を正すことが決定した)

【シチリ(フトマニより)】

・『繁の塵の謗りも嘘と思ひ種 モノヌシならでモノや散るらん』
・(富を塵と言う批難が謀反の原因となり、オホナムチが統治するモノノベが散るだろう)

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用語解説

・フトマニ:"すべてを映すもの"ということの意であり、アワノカミ(日本語の四十八音)を指す(言霊を用いた呪術)

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原文(漢字読み下し)

【カシマ立(た)ち 釣鯛(つりたい)の文(あや)】

・二十五鈴(ふそゐすす) 九十三枝年(こそみゑとし)の
・サアヱ夏(なつ) 橘枝(かくゑ)しほみて
・フトマニの シチリは破(やも)り
・激(はけ)しくて 西北隅(つねすみ)の国(くに)
・見(み)せしむる

・ヨコベ帰(かえ)りて
・申(もふ)さくは 出雲八重垣(いつもやゑかき)
・オホナムチ 満(み)つれは欠(か)くる
・理(ことはり)か 額(めか)お玉垣(たまかき)
・内宮(うちみや)と これ九重(ここのゑ)に
・比(くら)ふなり

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります