現代語訳

・ここ(イサワ宮)に居る時、ムカツヒメが藤岡端のオシホイ(忍穂井)の産屋で御子を出産した
 ・オシホミの御子のオシヒトという斎名を告げて、モチヰ(餅飯)を配ると民が歌った
  ・「先にモチコが産む御子は、ホヒの尊タナヒト※
  ・ハヤコが三つ子を産んだ
  ・一にタケコ※オキツシマヒメ
  ・二にタキコ※エツノシマヒメ
  ・三はタナコ※イチキシマヒメ
  ・然る後にアキコが産んだタタキネ※は、アマツヒコネ
  ・然る後にミチコが産んだハラキネ※は、イキツヒコネ
  ・北のウチキサキのトヨヒメが産んだヌカタダ※は、クマノクスヒ
  ・御子すべて、五男三女なり」
・なお、イサワの南の殿には、橘を植えてカグノミヤ(橘の宮)とした
 ・東には桜を植えてヲウチミヤ(大内宮)とした
 ・大内宮ではアマテル自らが政を執り、あまねく民に知らせて豊かに治めた

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用語解説

・オシヒト:アマテルとセオリツヒメの御子で、『記紀』でいうオシホミミに当たる
・タナヒト:アマテルとモチコの御子で、『記紀』でいうアメノホヒに当たる
・タケコ:アマテルとハヤコの御子で、『記紀』でいうタギリヒメに当たる
・タキコ:アマテルとハヤコの御子で、『記紀』でいうタギツヒメに当たる
・タナコ:アマテルとハヤコの御子で、『記紀』でいうイチキシマヒメに当たる
・タタキネ:アマテルとハヤアキツヒメの御子で、『記紀』でいうアマツヒコネに当たる
・ハラキネ:アマテルとミチコの御子で、『記紀』でいうイクツヒコネに当たる
・ヌカタダ:アマテルとトヨヒメの御子で、『記紀』でいうクマノクスビに当たる

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原文(漢字読み下し)

・ここに居(ゐ)ませは
・ムカツ姫(ひめ) フチオカ端(あな)の
・オシホヰに 産野(うふや)の耳(みみ)に
・生(あ)れませる オシホミの御子(みこ)
・オシヒトと 斎名(いみな)お告(ふ)れて
・神生(かみあ)りの 餅飯(もちゐ)賜(たま)えは
・民(たみ)歌(うた)ふ

・先(さき)にモチコか
・生(う)む御子(みこ)は ホヒの尊(みこと)の
・タナヒトそ ハヤコか三(み)つ子(こ)
・一(ひ)はタケコ オキツシマ姫(ひめ)
・二(ふ)はタキコ ヱツノシマ姫(ひめ)
・三(み)はタナコ イチキシマ姫(ひめ)
・然(しか)る後(のち) アキコか生(う)める
・タタキネは アマツヒコネそ
・然(しか)る後(のち) ミチコか生(う)める
・ハラキネは イキツヒコネそ
・トヨ姫(ひめ)は 北(ね)の内侍(うちめ)にて
・御子(みこ)すへて 五男三女(ゐをとみめ)なり

・南(さ)の殿(との)に 橘(たちはな)植(う)えて
・橘(かく)の宮(みや) 東(き)に桜(さくら)植(う)え
・大内宮(うおちみや) 自(みつから)ら政(まつり)
・聞(き)こし召(め)す あまねく民(たみ)も
・豊(ゆた)かなり

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります