現代語訳

・(カスガは続けた)
・「時にイサワに座すアマツカミ(アマテル)と十二后も神となる時が来た
・内宮のセオリツヒメはイサワから宮を遷そうとミモカワにアノホルチ(最期の地)を得た
・そしてサコクシロウチの宮に居て2万年を経た
・時にアマテルは、宮に自生した50鈴の真榊を見て『思えば植えずして生えるのもアメ(陽陰)、我が命もアメ(陽陰)が知らす』と言った
・そして、ヤモカミ(八百守)を召して『私は世を離れ、隠れることにする』と詔し、サルタ※に穴を掘らせた
・また、墓所については『マナヰに契るアサヒ宮(トヨケの墓所)と同じ場所とせよ』と詔した
アマテルの詔に驚いた諸守は驚いて、アマテルに留まるようにせがんだ
・すると、アマテルは『それはできない、私は民のためにハホ菜を食して173万2500年もの長寿を得た、今はアメに楽しみを覚えている』と言った」
・(そして、"世に遺す歌"を歌い始めた)

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用語解説

・サルタ(サルタヒコ):文献中、最も長身で最も長寿とされる守で、種々の功を立てた(『記紀』のサルタヒコ)

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原文(漢字読み下し)

・時(とき)にイサワの
・陽陰(あま)つ神(かみ) 十二(そふ)の后(きさき)も
・神(かみ)となる セオリツ姫(ひめ)と
・大御神(ををんかみ) 宮(みや)移(うつ)さんと
・ミモ郷(かわ)に 天上(あのほ)る地(ち)得(ゑ)て
・サコクシロ 内(うち)の宮居(みやゐ)に
・二万年(ふよほ)経(へ)る

・時(とき)に五十鈴(ゐそすす)
・宮(みや)に生(う)え つらつら思(おほ)す
・植(う)ゑすして 生(は)ゑるも陽陰(あめ)よ
・我(わ)か命(いのち) 陽陰(あめ)か知(し)らすと
・八百守(やもかみ)お 召(め)して我(われ)世(よ)お
・辞(いな)まんと サルタに穴(あな)お
・掘(ほ)らしむる マナヰに契(ちき)る
・アサヒ宮(みや) 同(おな)し所(ところ)と
・宣給(のたま)えは

・諸(もろ)驚(おとろ)きて
・留(とと)むれは 否(いや)とよ我(われ)は
・民(たみ)のため 苦(にか)きお食(は)みて
・百七十三万(もなそみよ) 二千五百年(ふちゐもとし)お
・永(なか)らえて 陽陰(あめ)の楽(たの)しみ
・覚(おほ)ゆれは

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります