現代語訳

・これ以前のこと、御祖皇(ウガヤ)に御子が無かったとき、オシクモが祈ってヨツギフミ(代嗣文)を成した
 ・カクヤマ(アスカ政府)のナガスネヒコ※は、これに倣ってオシクモに代嗣文を乞うたが、授けられることが無かった
ウガヤが罷る後、アマノタネコはこの文をミカサ社に籠めて、タケヒトと共にツクシに到った
・この間にナガスネヒコがミカサ社の蔵を開けて、代嗣文を写し盗った
 ・その様子を蔵人が見つけて告げると、タネコは驚いて君(タケヒト※)に告げた
・アスカに差使を遣わせれば、御子(クニテル※)が「蔵人が言うようなことは、私は知りません」と返答した

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用語解説

・ナガスネヒコ:フトタマの孫で、ミカシヤヒメの兄に当たる。『記紀』『旧事紀』でいうナガスネヒコに当たる
・タケヒト:ウガヤとタマヨリヒメの第二子で、後に東征を果たす。『記紀』でいう神武天皇に当たる
・クニテル(ニキハヤヒ):ホノアカリの長男で、ニニキネの孫。『記紀』『旧事紀』の饒速日に当たる

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原文(漢字読み下し)

・先(さき)にカクヤマ
・ナガスネは 御祖皇(みをやすへらき)
・御子(みこ)なきお オシクモ祈(いの)る
・その文(ふみ)お 乞(こ)えと授(さつ)けす
・罷(まか)る後(のち) アマノタネコは
・この文(ふみ)お ミカサに籠(こ)めて
・君(きみ)の供(とも)

・ナガスネヒコは
・その蔵(くら)お 密(ひそ)かに開(ひら)けて
・写(うつ)し盗(と)る 蔵人(くらと)見(み)つけて
・これお告(つ)く タネコ驚(おとろ)き
・君(きみ)に告(つ)く 差使(さをしか)遣(や)れは
・御子(みこ)答(こた)え 蔵人(くらと)か業(わさ)は
・我(われ)知(し)らす

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります