現代語訳

【ワカヒコ 妹背鈴明の文(わかひこいせすすかのあや)】

・タカの首(首都)の壺若宮にて、暑い日にワカヒコ(カスガ)が上り、そこで御酒を賜った
・このとき、オシホミミが「神はイモセノミチ※(妹背の道)を開いた、私はカスガに これを教えられた」と詔した
 ・そして、カスガは配置に着き、君(オシホミミ)の左に座した
 ・右には このような面子が座していた
  ・ヒタカミの治君(ヨロマロ?)
  ・カルキミ翁(オホナムチ)
  ・カトリ上君(フツヌシ)
  ・カシマ君(タケミカツチ)
  ・ツクバウシ
  ・シホカマほか
・そして、オシホミミが皆に「以前、水浴びをしようとしたが、治君が止めて真似だけさせた、これは何故だ?」尋ねた
 ・これにカスガが答えて言った
  ・「水浴びとは、ノコルノリ※(古い仕来たり)です
  ・昔、ウヒチニが雛ヶ岳でモモヒナミと結婚した初三日に寒川で冷水を浴びたことに始まります
  ・これに倣ってソサノヲは氷川で冷水を浴びました
  ・これは両人とも身体が強かったからであります
  ・しかし、君は優しく和らかな身体ですので、これを考えて止めたのでしょう(オシホミミは病弱であるため)」

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用語解説

・イモセノミチ:アメナルミチ(陽陰の基本法)に則った男女(夫婦)の在り方を示す道徳
・ノコルノリ:過去から伝えられて未だ守られている仕来たり(将来に遺るべき典範のこと)

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原文(漢字読み下し)

【ワカヒコ 妹背(いせ)鈴明(すすか)の文(あや)】

・タカの首(こふ) 壺若宮(つほわかみや)の
・暑(あつ)き日(ひ)の 上(ゑ)らみ伺(うかか)ふ
・ワカヒコに 御酒(みき)賜(たまわ)りて
・御言宣(みことのり) 神(かみ)は妹背(いもせ)の
・道(みち)開(ひら)く 我(われ)はカスガに
・これ受(う)けん

・カスガ場(は)をなし
・左(ひた)に坐(ま)す 右(みき)はヒタカミ
・治君(うおきみ)と カル君翁(みをきな)
・次(つき)カトリ 上君(かんきみ)及(およ)ひ
・カシマ君(きみ) ツクバ・シホカマ
・諸(もろ)も坐(ま)す

・時(とき)に御問(みと)ひは
・先(さき)に水(みと) 浴(あ)ひせんつるを
・治君(うほきみ)か 止(と)めて真似(まね)なす
・これ如何(いか)ん

・カスガ答(こた)ゑて
・遺(のこ)る法(ほり) 昔(むかし)ウヒチニ
・雛(ひな)か岳(たけ) モモに婚(とつ)きて
・初三日(はつみか)に 寒川(さむかわ)浴(あ)ひる
・ソサノヲは 氷川(ひかわ)に浴(あ)ひる
・これ強(つよ)し 君(きみ)は優(やさ)しく
・和(やわ)らかに ませは考(かか)えて
・止(とと)むものかな

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります