現代語訳

【神鏡ヤタの名の文(かんかかみやたのなのあや)】

・天地が内も外も清く和していたとき、大内に侍る臣・民がヤタノカガミ※を拝んでいた
・そこで、アマノコヤネが謹んで、"ヤタ"に名の由来を請うた
・すると、アマテルが このように答えた
 ・「"ヤタ"は横幅を指す単位である
 ・これは、往古に八民(全国の民)80万人の平均の身長の集めて一坪(8尺=約240cm)の単位を定めたことに始まる
 ・この一間(一坪)を八段に分け、これに日月の二尺を増し、一丈(約303cm)の長さを定めた(6尺+2尺×2(日・月))
 ・また、尺を10段階に分け、寸(約3.03cm)と名付けて民に教えた(一尺÷10=一寸)
 ・また、高計り(一丈)を火・風・埴・水の四つに分け(約75cm)、空の一つに継ぎ合せ(約378cm)、天の分度器とした
 ・これ(八尺)で人実(人心)を抱こうと丸めて経(約76cm)とした(一丈÷円周率)
 ・余った二尺(二尺余り=約60cm)が、宮の御柱に神を招くヤタノカガミである
 ・この経尺の円鏡(日月の物実)は、八尺の者の心(魂魄)を治めるヤタノカガミと呼んだ」

※尺寸の数値は現在の物を適応しているが、文献上における詳しい数値は不明である

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用語解説

・ヤタノカガミ:八方の民の魂魄を写し収める円周8尺の鏡を指す(三種宝の一)

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原文(漢字読み下し)

【神鏡(かんかかみ)ヤタの名(な)の文(あや)】

・天地(あめつち)も 内外(うちと)も清(きよ)く
・和(な)る時(とき)に 大内(をうち)に侍(はへ)る
・臣(とみ)・民(たみ)も  ヤタの鏡(かかみ)を
・拝(おか)む時(とき) アマノコヤネか
・謹(つつし)みて ヤタと名付(なつ)くる
・故(ゆえ)お請(こ)ふ 時(とき)に和照(あまて)る
・御言宣(みことのり)

・ヤタは八民(やたみ)の
・元(もと)の丈(たけ) 往(い)にし代(え)作(つく)る
・間計(まはか)りは 八十万人(やそよろひと)の
・均(な)れ丈(たけ)を 集(あつ)め計(はか)りて
・一坪(ひとつほ)を 今(いま)の一間(ひとま)の
・物差(ものさし)しそ

・この間計(まはか)りを
・八段(やきた)分(わ)け これに日(ひ)・月(つき)の
・二尺(ふたた)増(ま)し 万(よ)の人殻(ひとから)の
・高計(たかはか)り

・尺(たお)を十断(とつ)切(き)り
・寸(き)と名付(なつ)く 民(たみ)は八尺(やた)なり

・高計(たかはか)り 火(ほ)・風(かせ)・埴(はに)・水(みつ)
・四(よ)つに分(わ)け 空(うつほ)の一(ひと)つ
・継(つ)き合(あわ)せ 天(あま)の回(めく)りの
・環差(まかりさ)し

・これで人実(ひとみ)を
・抱(いた)かんと 丸(まろ)めて径(わたり)
・二尺(ふたた)垂(た)る 鏡(かかみ)は宮(みや)の
・実柱(みはしら)に 上(かみ)お招(まね)くの
・八尺鏡(やたかかみ)

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります