現代語訳

オホナムチが一人で国を巡っている時のこと、民が獣肉を食したことから稲を枯らすホオムシ※が発生した
 ・これを聞いたオホナムチはヤスカワのヒルコの元に急いで向った
オホナムチはヤスカワのシタテルヒメ(ヒルコ)に教え草(害虫駆除のまじない)を習って帰った
 ・そして、ホオムシをヲシクサ(押草)で扇ぐと、ホオムシは彼方に去って行った
 ・この効果に感銘を受けたオホナムチは、娘のタカコに習わせるべくヒルコの元に奉った
・また、アマクニタマの娘のオクラヒメヒルコの元に奉じられた
 ・以後、シタテルヒメ(ヒルコ)は二人を召して、八雲打ちを教えて楽しんだという

※同様の説話が『古語拾遺』にも記される

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用語解説

・ホオムシ:作物を食い荒らす害虫で、イナゴの類と推定される(一部の地域ではカメムシを指す)

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原文(漢字読み下し)

・オホナムチ 一人(ひとり)恵(めく)りて
・民(たみ)の糧(かて) 獣肉(けしし)許(ゆる)せは
・肥(こ)ゑ募(つの)り 皆(みな)早枯(はやか)れす
・稲蝕虫(そはほむし) クシキネ馳(は)せて
・これを問(と)ふ

・シタテル姫(ひめ)の
・教(をし)え草(くさ) 習(なら)い帰(かえ)りて
・押草(をしくさ)に 扇(あふ)けは蝕(ほを)の
・虫去(むしさ)りて やはり若(わか)やき
・実(みの)る故(ゆえ) 娘(むすめ)タカコを
・奉(たてまつ)る

・アマクニタマの
・オクラ姫(ひめ) これも捧(ささ)けて
・仕(つか)えしむ シタテル姫(ひめ)は
・二青侍(ふたあおめ) 召(め)して楽(たの)しむ
・八雲打(やくもう)ち

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります