現代語訳

・(垂仁)26年(上鈴714年)
 ・9月16日、大御神をヰソスズカワのサコクシロウチに遷した
 ・9月17日の夜、ミタケハシラ(アマテルの御神体)を納めた
 ・その後、皇は自らタケノミヤコにて「雨風の節は程良くて、豊かに実れ」と繁栄を祈った
  ・こうして謙り、畏みて言上して御恵みを願った
 ・これにアマテル神も喜んで、ヤマトヒメを通じて このように告げた
  ・「昔、私が住んだサコクシロにシキナミヨスイセノミヤが成った
  ・私は此処に永く鎮まり守護しよう、これはトヨケの神と諸共である」
 ・アマテルの告げに君も喜び、ニキテ(和幣)を成して、アサヒ宮のトヨケの神にも使者を派遣した
  ・その際の差使はミワのミケモチとし、イワヒト(斎人)はタニハミチウシとした
 ・また、地主の尊(ヲコヌシ)の教えは、大御神の嗣を思い、妹背の道を全国の民に活かし恵むことであった
  ・故にカツヲヤキ(鰹八木)の千木の内を削ぎ、ウチミヤ(内宮)の内を軽くして八民を豊かに守る
 ・また、トヨケはサカホコノノリを以って、天の星にコクラ(九座)を表し、カツヲコキ(鰹九木)の千木の外を削ぐ
  ・故に(アサヒ宮は)トミヤ(外宮)であり、内を厚くして厳民の父である、よって畏れて道を得るべし
  ・なお、内宮は君による母の子を恵む法である

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用語解説



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原文(漢字読み下し)

・二十六年(ふそむほ)の 九月十六(なつきそむ)の日(か)
・大御神(ををんかみ) ヰソスズ郷(かわ)の
・サコクシロ 内(うち)に渡(わた)まし
・十七日(そなか)の夜(よ) 御丈柱(みたけはしら)お
・納(おさ)めしむ

・これ皇(すへらき)の
・自(みつか)らの 高(たけ)の都(みやこ)に
・繁(そろ)祈(いの)り 雨風(あめかせ)の節(ふし)
・程良(ほとよ)くて 豊(ゆた)かに実(な)れと
・伏(ふ)し痩(や)すみ 礼(いやま)ひ申(もふ)す
・御恵(みめく)みや

・神(かみ)も喜(よろこ)ひ
・告(つ)け曰(いわ)く 昔(むかし)我(わ)か住(す)む
・サコクシロ 繁(し)き和(な)み寄(よ)する
・妹背(いせ)の宮(みや) 永(なか)く鎮(しつ)まり
・守(まも)るへし トヨケの神(かみ)と
・諸共(もろとも)そ ヤマト姫(ひめ)より
・これお告(つ)く

・君(きみ)喜(よろこ)ひて
・和幣成(な)し トヨケの神(かみ)へ
・差使(さおしか)は ミワのミケモチ
・斎人(いわひと)は タニハミチウシ

・地主(くにぬし)の 尊(かみ)の教(おし)えは
・大御神(ををんかみ) 嗣(つき)お思(おも)して
・妹背(いせ)の道(みち) 八方人草(やもひとくさ)お
・活(い)け恵(めく)む 故(ゆえ)カツヲ八木(やき)
・千木(ちき)の内(うち) 削(そ)くは内宮(うちみや)
・内(うち)軽(かる)く 八民(やたみ)豊(ゆた)かに

・またトヨケ 逆矛(ほこ)の法(のり) 
・天(あめ)の星(ほし) 九座(こくら)表(あらわ)し
・カツヲ九木(こき) 千木(ちき)は外(と)お削(そ)く
・故(かれ)外宮(とみや) 内(うち)厚(あつ)く厳(いつ)
・民(たみ)の父(ちち)

・畏(おそ)れ道(みち)得(ゑ)よ
・内宮(うちみや)は 君(きみ)母(はは)の子(こ)お
・恵(めく)む法(のり)かな

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります