現代語訳

・(トヨケは続けた)
 ・「水底に伏す、陰の情けがカミカタチ※である
 ・"ト"の嘗(ト元神の守)は、埴・水も潤う
 ・5月半ばの夏至の頃に陽の光が極まれば、カツメカミは舵を反転して冷を乞い、陰引きを招く
  ・白道※の1陰を下して、地に伏せば陽(火)と陰(水)が衝突し、蒸気を昇って五月雨が降る
  ・これに青葉が繁れば、永らえる南風が運ぶ繁の香(薫風)を受ける
 ・6月には陰がいよいよ地に充ちて陽と陰が衝突するので、上空は鳴り響き暑くなる
  ・月末はさらに暑く乾くのでモモマツリを行う
  ・陽と陰の衝突が止めば、1陰は勢いづいて開き、熟果(桃)を食べて茅の輪をくぐりミナノハラヒ※を脱げ尽くす」

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用語解説

・カミカタチ:ここでは"神霊が形をとった姿"を指す
・白道(シラミチ):"月が周回する軌道"もしくは"月の陰エネルギーを運ぶ通路"を指す
・ミナノハラヒ:六月に行う穢祓いのことで、川の水で身を濯いで茅の輪をくぐるとされる

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原文(漢字読み下し)

・水底(みなそこ)に伏(ふ)す
・陰(め)の情(なさ)け これ神形(かみかたち)

・トの嘗(なめ)は 埴(はに)・水(みつ)潤(うるほ)ふ
・五月(さつき)中(なか) 光(ひかり)徹(ほ)れは
・傾神(かつめかみ) 道(みち)お反(かえ)して
・冷(ひ)お乞(こ)えは 陰引(みひき)お招(まね)き

・白道(しらみち)の 一陰(ひめ)お下(くた)して
・地(は)に伏(ふ)せは 競(きそ)ひ昇(のほ)りて
・五月雨(さみた)るる 青葉(あおは)茂(しけ)れは
・永(なか)らえの 南(さ)の香(かお)り受(う)く

・六月(みなつき)は 弥々(やや)地(やに)に充(み)ちて
・闘(たたか)えは 上鳴(かみな)り暑(あつ)く
・末(すえ)は尚(なお) 暑(あつ)く乾(かわ)けは
・桃祭(ももまつり) 競(きそ)ひ止(や)むれは
・一陰(ひめ)開(ひら)く 熟瓜(ほそち)茅(ち)の輪(わ)に
・脱(ぬ)け尽(つ)くる 穢(みな)の祓(はらひ)そ

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現代語訳文の目的・留意点

・この現代語訳は、内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・原文や用語の意味などについては「ほつまつたゑ 解読ガイド」をベースにしています
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・文献独自の概念に関してはカタカナで表記し、その意味を()か用語解説にて説明しています
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解し易いように敢えて書き加えています
・人物名や固有名詞、重要な名詞については太字で表記しています
・類似する神名を区別するため、一部の神名を色分けして表記しています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文には無いものです
・原文は訳文との比較の為に載せています(なお、原文には漢字はありません)
・予告なく内容を更新する場合があります